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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―黒幕との邂逅―
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怪物は、向かって来たスピード・ウォリアーに対してニヤリと笑うと、怪物らしい左腕でスピード・ウォリアーの蹴りを受け止めた。

「がはっ……!?」

 ――怪物が受け止めた瞬間、《スピード・ウォリアー》の蹴りの衝撃がそのまま自分に跳ね返って来るような感覚に襲われた。腕がミシミシと痛み、その衝撃に膝をつきそうになるも、何とか左腕を抑えながら耐える。

「……デュエルゾンビを止めてくれるんだったよな?」

「そんなこと言ったかなぁ?」

 デュエル前にしていた約束……嘘だろうとは思っていたが、ここまで白々しく言われるといっそのこと清々しい。だが、攻撃を反射するようなあの左腕があっては、迂闊に攻めることは出来ない……

「明日香、二人で止めるぞ!」

「ええ……ッ!?」

 明日香の応じる声とともに、鍵をかけていたはずの小部屋のドアがぶち破られ、外から続々とデュエルゾンビが現れ始める。異世界に来ていた生徒がほとんど、という訳ではないだろうが……そう錯覚せざるを得ない数だ。

「キミのデュエル中に呼んでいたゾンビたちが集結したみたいだね……気分はどうだい、遊矢先輩?」

 わざとらしくマルタンの真似をして『先輩』とつける怪物を睨みつけるながら、部屋の唯一の出口から現れたデュエルゾンビの様子を見る。呼んでいたゾンビたちが集結したと言っていたように、正面から無理やり突破できる数ではない。

「……悪いが、ただでやられるわけにはいかない」

 デッキから二枚のモンスターカードを取り出してセットすると、《サイバー・ブレイダー》が消える代わりに、二体の《スピード・ウォリアー》が現れる。もう少し巨大なモンスターを出したいところだが、部屋の大きさと削られるライフの心配から、マイフェイバリットカードが最適だと判断する。

「へぇ……そのモンスターでボクに攻撃してくるのかい?」

 そう試すような言い方をしながらも、マルタンの姿をした怪物は、自らを守るようにデュエルゾンビを前に配置する。あれでは、左腕に気をつけながら攻撃することなど出来やしない。

「……頼むぜ、スピード・ウォリアー!」

 元々いた一体と現れた二体が俺の叫び声に呼応すると、一体一体がそれぞれ俺と明日香にレイを背負い、部屋を走って脱出を試み始める。

「くっ……!」

「きゃっ!」

 体力が落ちている身体にこの重圧はキツいが、デュエルゾンビとなって動作が緩慢になっている生徒には捕らえられず、部屋の出口に向かって殺到するが――

「させないよ」

 マルタンの姿をした怪物の左腕から火球が放たれると、俺と明日香のスピード・ウォリアーを撃墜し、俺と明日香は部屋に叩きつけられる。もう一発がレイの乗ったスピード・ウォリアーを襲ったものの、地上に叩
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