暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep11悪夢の幕開け〜Tragedy〜
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†††Sideクロノ†††

「手遅れだったみたいだな」

僕の前を飛ぶルシルが、あるビルの屋上で発生している黒い球体を見て呟く。僕とルシルとシャルの3人は、通信妨害が発生した現場へと急いで駆けつけたが、すでに“闇の書”は完成した後だった。

「クロノ、2人の姿を確認できたんだけど・・・1人で行く?」

「・・・ああ、僕の・・・弟子としての務めだ」

僕には見えないが、シャルの目には2人の仮面の男が居ることを確認できているんだろう。当然ながら向こうは未だこちらに気付いてはいないようだ。

「なら俺とシャルは、フェイト達と合流してアレ、いや八神はやてを止める。クロノ、下手な慰めは要らないだろうから何も言わないでおくよ」

「気にしなくていい。そっちは任せたぞ、ルシル、シャル」

「ああ」「ええ」

ルシルとシャルは、なのは達が居るであろうあの黒い球体が発生しているビルへと向かった。ここからは僕の役目となる。今回の事件の裏で暗躍を繰り返していた“2人”を確保するために。

「どんな理由でも、こんなことをしてはいけなかった」

頭に思い浮かぶのは、僕の師であり友人のリーゼ。これから僕はあの2人を・・・。2人の仮面の男の近くにまで来たとき、あの黒い球体が爆ぜた。向こうも向こうで大変だろうが、僕は僕の仕事を果たす。

――ストラグルバインド――

「え!?」「な・・・!?」

未だに僕の接近に気付いていなかった仮面の2人を捕縛魔法で拘束する。拘束されてもなお抵抗する2人の前へと僕は降り立つと、仮面の2人の身体から粒子が漏れだす。

「ストラグルバインドの効果は知ってるだろう」

2人が発動している魔法が強制的に解除されているのはその所為だ。僕が仕掛けたストラグルバインドは、特別な効果を持った捕縛魔法だ。効果としてはバインドの基本、対象を拘束できるというもの。そしてもう1つ、魔法による対象の強化を無効化するというもの。それには変身魔法の強制解除も含まれる。その効果を受け、2人の仮面の男の輪郭が徐々に光の粒子となって崩れていく。

「変身や強化の魔法も、例外なく強制的に解除する。もちろん君たちのもだ」

完全に変身の解けた仮面の男の正体は、やはりリーゼ達だった。僕の足元へと仮面が転がった音だけが空しく聞こえた。

「こんの・・・クロノ! 今すぐバインドを解除しろ!」

「ストラグルバインド、か。私たちは教えてなかったんだけどな」

「1人でも精進しろ、と教えてくれたのは君たちだろう。リーゼ・・・」

その言葉をいつも胸に今まで腕を磨いてきた。それなのに、その結果がこれだった。僕はこんな形でリーゼ達と会いたくはなかった。

†††Sideクロノ⇒フェイト†††

私となのはは“闇
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