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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep11悪夢の幕開け〜Tragedy〜
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ツーサイドアップ、蒼い双眸、150cmに満たないほどの少女、名をフラウロス・ヴォルテウス・フィン・アズーラヴィンドが、俺の姿を見て小さくお辞儀した。
参ったな。まさかフラウロスが相手になるとは。この世界に来てから対峙する敵としては最強だ。いや、おそらく完全な状態での顕現じゃないだろう。フラウロスが完全な状態でこの世界に現れたのなら、俺やシャルに制限なんて付かない。
(フラウロス・ヴォルテウス・フィン・アズーラヴィンド。最下層魔界の一国シュゼルヴァテラスを治める双子の魔人、ルリメリアとリルメリアの親衛隊に所属する魔人だ)
当然その実力はケタ違い。今の俺では手も足も出せずに一瞬で殺されるだろうが、そこは“界律”からの制限が働くはず。フラウロスのような強大な力を持つ魔人が、無制限で存在できるわけがない。
「久しぶりだな、フラウロス」
とりあえず、挨拶を返す。説得して戦闘を回避できればいいんだがな。
「わたしは本物ではなく偽物なんですよね? なんとなく解かります。ここは魔界ではありませんし・・・ここはどこでしょう? それにどうして小さいんですか、ルシリオン様。あと魔力も同情してしまうくらい僅かしか内包していませんし・・・。あ、テスタメントの契約とやらの最中ですか・・・?」
そう一方的にまくし立ててきたフラウロスに、「そんなところだ」と答える。さて、長話をする時間もないし、さっさと説得を始めてどうにか参戦しないよう仕向けないと。
「フラウロス。今は俺の言うことを聞いて、大人しく引き下がってくれ」
「申し訳ありません。どうやらルシリオン様の言うことに従うことは出来ないようです」
説得開始、そして終了。しかしフラウロスは申し訳なさそうに目を伏せた。“夜天の書”に召喚された“エインヘリヤル”ということで、主としての管制権限が俺には無いようだ。改めて「どうしてもか?」と聞くと、やはり「申し訳ありません」と首を横に振った。
「はぁ・・・判った。ならフラウロス、自決か特攻、好きな方を選んでくれるか」
「自決か特攻ですか? えっと・・・って、どちらを選んでも、わたし消えますよね」
「すまないな。ここは絶対に負けることの出来ない場面なんだ」
そう告げると、フラウロスは申し訳ない表情を浮かべるが、すぐにキリッとした真剣なものになり「手合わせ願いします」と意識を戦闘モードへと切り替えた。フラウロスから放たれる魔力。やはり最下層魔界の“魔族”の1体。制限下でも凄まじいな。
「申し訳ありません、ルシリオン様。わたしとしても負けるわけにはいかないんです。わたしは、ルリメリア様とリルメリア様――シュゼルヴァロードの御姉妹に仕えし者。たとえわたし自身が偽物であっても敗北も許されません」
「・・・そうだな。判
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