暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep10闇の書 覚醒〜Awakening of despair〜
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「私たちが壊すまでもなくね。この子たちは闇の書の機能を、まだ使えると思い込んでたの。馬鹿だよね。ずっと昔に壊れているのに、無駄だって知らずに頑張ってきたんだから」

「無駄ってなんや!? わたしの家族を馬鹿にせんといて!」

「家族? 違うよ。壊れた道具なんだ、あの子たちは。だから役に立たないから、早く捨てるに限るよね」

「捨てるだけじゃダメだよ。ちゃんと最後まで壊してからじゃないと」

その言葉の意味だけは解かってしもうた。それはヴィータを、ザフィーラを示す言葉やって。

「アカン、・・・やめて・・・お願いやから・・・やめてぇぇぇぇっ!」

これ以上、わたしから何も奪わんでよ。

わたしが一体なにしたっていうん?

わたしは幸せになったらアカンの?

なんでわたしの前には絶望しかあらへんの?

「はやて。運命はね、いつでもどこでも残酷なことばかりなんだよ」

「やめてぇぇぇぇーーーーーっ!」

あの2人の手の輝きがさらに強くなってく。そして次の瞬間、目の前に光の爆発が起きた。わたしの願いも空しく、ヴィータとザフィーラが目の前から消えてしもうた。この瞬間、わたしから全てが失くなってしもうた。もう何も考えたくない。こんなに悲しくて辛い現実なんて・・・。

(・・・いらへん・・・もう、なんもいらへん・・・・)

≪Guten Morgen, Meister≫

そこでもう何もかも解からんくなった。でもそれでもええ。もうどうでもええんや。もう家族のおらへん世界に居ったって、なんも楽しくない。
 
†††Sideはやて⇒なのは†††

私とフェイトちゃんの目の前で起きた悲劇。私たちを捕らえていたクリスタルの檻とバインドを破壊した時には全てが手遅れだった。

「はやてちゃん・・・」「はやて・・・」

なんて声を掛けていいか躊躇ってた中、両手をついて俯いていたはやてちゃんが顔を上げて絶叫した。ヴィータちゃん達を取り込んたことで“闇の書”は完成してしまって、はやてちゃんの足元から表れた黒い光の柱が、「はやてちゃん!」を飲み込んだ。
黒い光の柱が消えてそこから現れたのは、はやてちゃんじゃなくて、ルシル君と同じ綺麗な銀色の長髪に黒い服、そして背には4枚の黒い翼を生やした女の人だった。

「また終わりを迎えてしまったのか。・・・一体、あとどれだけこのような悲しみを繰り返せばいい?」

その女の人は両腕を広げ、空を仰ぎながら涙を流していた。どうすればいいのか判らない私たちはその様子をただ見てるしかなくて。

「我は闇の書。主の願いがままに、我は・・・」

その女の人はスッと右腕を掲げてると、その手の平から黒い球体が現れて、一気に大きくなる。

≪Diabolic Emiss
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