暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep10闇の書 覚醒〜Awakening of despair〜
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苦しまないように!」

†††Sideフェイト⇒ヴィータ†††

さっきから高町が“闇の書”の名前が何だとか言っている。そうは言っても何も思い出せない。思い出せない? ホントの名前って何だ? 判らない。思い出せない。“闇の書”に本当の名前なんてあるのか・・・。

「え、なに・・・!? また!?」

霞が掛かったかのようなそれを思い出そうとしていると、いきなり高町にバインドが掛けられた。テスタロッサが高町に掛けられたバインドを見て、「仮面の男が居る!」ってシグナムとの距離を取ってから周囲に気を配っている。

「・・・そこだっ!」

――プラズマランサー――

テスタロッサの放った攻撃が何も無いはずの何かに当たり、その場の空間が揺らいだ。そしてテスタロッサはその波打っている空間へと「せいっ!」直接攻撃を加える。空間が揺らいでそこに現れたのは、前々からコソコソとあたしらに協力してた仮面の男。そいつは姿を隠してあたし達のことをずっと見ていやがったみてぇだ。

「ルシルから情報は貰ってるから、その手は通用しない!」

現れた仮面の男の登場に、デバイスを構えるテスタロッサだったけど、突然現れたもう1人の仮面の男に蹴り飛ばされて、「うくっ!」さらにバインドを掛けられた。それだけじゃない。あたしもシグナムもシャマルも、みんなバインドを掛けられた。

「んな・・・!?」

「なに!?」

「え・・・!?」

バインドを掛けている奴とは別の奴の手に“闇の書”が現れる。なんでだ、その疑問に答えが出る前に、仮面の男に従って“闇の書”があたしらのリンカーコアを体から抽出し始めた。

「忘れたか? 闇の書の最後のページは、もはや不要となったお前たち自らが差し出すということを」

いやだ。そんなことになったらはやてと別れることになる。抵抗しようにもバインドを掛けられた上、「ぅあああ!」抽出の激痛によって何も出来ねぇ。

「これまで幾度も繰り返してきたことだっただろう? 思い出せ」

≪Sammlung≫

“闇の書”の蒐集が本格的に始まった。あたしの目の前で、苦痛のうめき声を漏らすシャマルが消えていく。

「シャマル!? 貴様ら・・・!」

ヤメロ。ヤメロヨ。

「闇の書。こんな壊れたロストロギアなんかで誰かを救えるはずがないだろ? 思い出せ。これは、災厄を撒き散らし、お前たちが護ろうとしていた人間たちを苦しませるためだけのガラクタだ」

今度はシグナムが消えていった。ヤメロ、ヤメロ。ヤメロって言ってんだろっ。

「シャマル! シグナム! テメェら、なんでこんなことすんだよ!」

今度はあたしのリンカーコアの蒐集が始まった。足元から消え始めたあたしの体。仮面の男は言った、「お前たちを生かすより
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