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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep10闇の書 覚醒〜Awakening of despair〜
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よひどいよ、私は阿呆じゃないもんっ」
あらかた“闇の書”の調査を終えたのはいいが、随分と体を動かしていなかったため、このうるさいド阿呆と模擬戦できるようにしてもらった。
「事実だろ? ところ構わず抱きついてきては戦闘の邪魔をするアホな子。その所為で大戦の時は何度も死にかけたのを忘れたか?」
「むぅぅ、マスターを愛するのは当然でしょ。それに邪魔をしてるんじゃなくて守ってんの!」
左右に開いた両腕を上下に振りながらプンスカ怒っているが、俺は聞き流す。
「はぁ。もういいよ。それにしても行かなくてよかったの、マスター? 誘われてたんでしょ、夕ご飯。この世界での友達に。仲良くしないと、きっと後悔するよ?」
ド阿呆こと俺の正真正銘の使い魔、“フェンリル”の“
異界英雄
(
エインヘリヤル
)
”がそう聞いてきた。本物のフェンリルは今頃、セインテスト王家の王城グラズヘイムで、時間凍結封印されている俺の肉体を守護しながら、俺が人間へと戻るのを待っているだろう。
「いいんだよ、さすがに気を遣ってしまう。何せなのはのご家族と会ったのはたった3回だ。それだけで御呼ばれするのはちょっと気が進まない」
「もう少し楽しめばいいのにぃ。でもまぁ、それがマスターの意思なら口は挟まない。けどそんなんじゃそのうち壊れちゃうよ? 今のマスターは精神安定しないとすぐにダメになっちゃうんだから」
「すでに壊れたことを経験しているから大丈夫だ。今はそんなことより、どうだった俺の戦闘力は? 出来るだけ」
今回の模擬戦の目的。それは固有魔術と複製術式の威力差を確認することだ。相手はクロノでもよかったが全力で断られたので、最も信頼できるフェンリルを選んだというわけだ
「受けてみて判ったんだけど、やっぱり複製術式の方が威力が高いよ。マスター、この世界の魔じゅ――じゃなくて魔導師?を傷つけないように、魔術から神秘を限りなく減らしたり、魔力も抑えてるでしょ? 複製のように神秘の有無の切り替えが出来るなら大丈夫だろうけど。どうしても神秘が加わって手加減が難しい固有魔術はマスターを苦しめるかも」
「やはり、そうなのか」
「うん。だから界律に設定されたランクどおりの威力を出したいなら、“剣神”と同じように魔術を魔法っていうのに変えた方が良いと思う。この世界での魔法は、純粋に魔力の大きさで威力が決定されているみたいだから」
「最悪だ。魔術を魔法に再構築する? どれだけ時間と手間が掛かると思ってるんだ」
「そんなの知らないよ。でもそれくらいの代償が無いと。世の中、楽に出来てなんかいないんだから」
シャルも苦労しながら魔術を魔法へと変えたそうだ。俺の固有魔術も出来ないことはないだろうが、やろうと思うと気が重い。
「・・・おぉ? そ
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