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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十三話 聖夜の奇跡   ★
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した場での戦闘の時に見せた短剣。
 その短剣は突き立てるだけで猫からジュエルシードを取り出した。

 士郎が持つ中でも特殊な短剣。
 裏切りと否定の対魔術宝具である。

破戒すべき全ての苻(ルールブレイカー)

 わずかにリインフォースの右手に突き立てられる短剣。

 その瞬間、はやてはナニカが砕ける様な音が聞こえた。
 そして、次にあったのは喪失感。

 闇の書との繋がりもシグナム達の繋がりも感じているが、目の前にいるリインフォースとの繋がりを感じられなくなっていた。

 次の瞬間、士郎はリインフォースの右手を取り、刃を突き立てた手の甲に唇を這わせる。

「んっ」
「「「「「「「っ!!」」」」」」」

 儀式なのだろうとわかっていたから何とか声を出さなかった周りの面々。
 それでも

(……士郎君)
(……士郎)
(……色々と言いたい事はあるけど)

 士郎がした事に理由があるのはわかっているとはいえ、やっている行為が傍から見たら手の甲への口づけである。
 三人共、何ともいえない複雑な表情を浮かべていた。

「これでいい。
 後はデバイスに必要なプログラムを頼む」
「ああ」

 わずかに頬を赤くしたリインフォースがデバイスに手をかざし、プログラムを書き込んでいく。

 その作業も終わり、リインフォースが大きく息を吐く。
 先ほどと変わらず俺の傍にいるリインフォース。

「調子はどうだ?」
「ああ、少し違和感があるが問題ない。
 恐らくミッド用のデバイスのためだろう」
「たまには足掻くのも悪くないだろう?」
「ああ……悪くないものだな」

 俺の言葉に苦笑して見せるリインフォース。

 さて、これで本当に最後だ。

「なのは、フェイト、夜天の書を送ってやれ」
「うん」
「わかった」

 デバイスを構え、再び魔法陣が展開される。
 その魔法陣の中心に

「今まで一緒におってくれてありがとう。
 おやすみな」

 はやてが夜天の書を置く。

 そして、魔法陣は輝きを増し、光となって天に昇り消えた。

 その時、空から落ちてくる一つの光。
 夜天の魔導書の表紙を飾っていた金十字の装飾。

 それは主であるはやての手に静かに収まる。
 はやてはその夜天の書の残した金十字を愛おしそうに抱きしめていた。




side 士郎

 夜天の書の残したモノを抱きしめるはやてとそれを見守る守護騎士となのはとフェイト。

「誰も欠けることなく、なんとか終わったか」

 まともに動く事が出来ない俺は少し離れた所からそれを眺める。

 なにはともあれ、はやては勿論、シグナム達も、リインフォースも全員が無事だった事を喜ぶ
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