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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十三話 聖夜の奇跡 ★
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主はやて、良いのですよ」
「良いことない。良い事なんか何もあらへん!」
「ずいぶんと長い時を生きてきましたが、最後の最後で私は貴方に綺麗な名前と心を頂きました。
騎士達も貴方の傍にいます。
何も心配いりません。
だから私は笑って逝けます」
迷いのない穏やかな笑み。
「やけどそんなこと」
「同感だ」
はやての声に重なるように発せられる言葉。
そして、風切り音と共に儀式を阻むように魔法陣に突き立つ二振りの無銘の西洋剣。
「真っ直ぐな覚悟も満足して死を受け入れるのも結構だが、お前はもう少し足掻くという事をするべきだな」
ゆっくりと丘を登って来る黒の上下の服で身を包んだ少年。
「士郎君」
「衛宮」
アースラで会う事も出来ないと聞いていた少年がここにいる事に周りの皆が眼を丸くする。
その中で
「衛宮、お前は」
もっとも嗅覚の鋭いザフィーラが士郎の異常に気がついていた。
だが真っ直ぐにリインフォースを見つめ続ける士郎にそれ以上何か言う事はなかった。
はやての傍に立つ士郎。
そこに来てなのは達全員が士郎の異常に気がついた。
黒い服という事で遠目では気がつかなかったが、その全身は血でどす黒く染まっている。
それだけではない。
雪を歩いた足跡も赤く染まり、その両の腕からは血が流れ、士郎に体に落ちた雪は血に染まり溶けていく。
アースラではほぼ傷が塞がっていた士郎だが、まだまともに歩ける状態ですらなかった。
ではどうやってここまで辿り着いたか。
単純な方法である。
魔術回路を起動し、体を動かす補助としたのだ。
無論、そんな無茶をすれば傷は開くし、先ほどの西洋剣を投げたせいで両腕には新たな傷が出来ていた。
「衛宮、お前はそんな傷で何を」
「簡単に諦める戯けに言いたい事が出来てな。
こうして死に体を引き摺って来たわけだ」
この程度、どうという事ないと平然と肩を竦めてみせる士郎に声を荒げるリインフォース。
「私などのためにそんな無茶をしたのか!
お前がいなくなれば主はやてが、主はやてだけではない、なのはやフェイト達が、将達が悲しむと」
「それはお前も同じだろうがリインフォース!」
リインフォースの言葉を遮り、声を荒げる士郎。
「お前がいなくなればはやては勿論、シグナム達も、俺達も辛いんだ。
それがわからないはずがないだろう」
「それは……」
大きな声を出すのも辛いのだろう。
士郎が咳き込み、口から流れた血を拭う。
「リインフォース、お前は生きたいと思わないのか?
主はやてとシグナム達と俺達と共に過ごしたいと」
「そんな事をすればまた私は」
「そんな事は
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