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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第八十三話 聖夜の奇跡 ★
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声だけだ。
「クロノだ」
「よう、クロノ」
「士郎、眼が覚めたのか」
いきなりの通信にクロノも驚いたようだが、すぐに疑問に変わる。
「映像が来てないが、何かあったのか?」
「何もないが、少々部屋がな」
「どういう事だ?」
「まあ、代償のせいで部屋中、血の海だな」
「……そういう事か、それなら映像はなかった方がいいだろうな」
俺の言っている意味がわかったのだろう。
なにやら向こうからため息が聞こえた。
「だが、間に合ってよかった」
「間に合う?」
クロノの言う意味がわからず、首を傾げる。
「これから夜天の書を完全に破壊する」
「どういう意味だ?」
「夜天の書の基礎構造は完全に壊れてしまっている。
リインフォースの中にも元の形はなく、主であるはやてでも修復は不可能ということだ。
そして……新たな防衛プログラムも直に生成されるだろうという事だ」
そういう事か。
新たな防衛プログラムが生成する前なら夜天の書の破壊は出来る。
もし生成されたらこの規模の戦いがまた起きる事になる。
それを防ぐために自分が犠牲になろうというのか。
そして、夜天の書が消滅するという事はその守護騎士であるシグナム達もいなくなるという事。
それははやてをまた一人にするという事だ。
「シグナム達もそれに同意しているのか」
「彼女達も本音では反対だろう。
だが周囲の被害とはやてのために同意した。
それと唯一の朗報だが守護騎士達は消えたりしない」
「どういう事だ」
「防衛プログラムが破壊された時に守護騎士プログラムを夜天の書から切り離したらしい」
そういう事か。
……待て。
切り離す事が出来る?
それなら手はあるかもしれない。
魔導師の技術は魔術と正反対だからどこまで通じるかはわからないが、可能性はゼロじゃない。
ならば俺がする事は一つだけ、最後の可能性を実行する事だけだ。
全身が軋む中でさらに魔術回路を起動させ、壁に手をつき立ちあがろうとするが
「がはっ!」
血で滑り、まともに立ち上がる事も出来ず床に倒れる。
「おい、士郎、無茶をするんじゃない」
「クロノ、士郎君がどうしたの?」
「母さん、プレシア、士郎の意識が戻ったんだが」
通信の向こうから聞こえるクロノの言葉。
確かにプレシアと言った。
「クロノ、プレシアがいるのか」
「ええ、ここにいるわ」
俺の問いかけに聞こえるのは確かにプレシアの声。
「プレシア、俺が隔離されている部屋に来てくれ。
一人でだ。
まだ可能性はゼロじゃない」
「わかったわ、すぐに行くから」
「待て、プレシア。
勝手に」
「クロ
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