VS代表候補生編
TIME1 出会いと始まり
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通り笑顔で迎えてくれた。相変わらず綺麗な人だ。
「愛理さん、コーヒーを一つお願いします」
「かしこまりました〜」
軽い足取りで愛理さんはコーヒーを作りに行った。
その時、五つの光る球が扉の隙間から涼河の身体に入り込みズボンの裾から大量の砂が溢れた。
現在 3月3日 時刻 10時40分
常連の尾崎さんと三浦さんの二人を筆頭に騒がしくなってきたのを聞き流しながら本を読んでいると、ベルを鳴らしながら店の扉が開き1人の青年が入って来た。
「姉さん遅れてごめん。あ、涼河君。来てたんだ。いらっしゃい」
「ん?あ、良太郎さん。お邪魔してます。……………てか今日はどんな不幸に遭ったんですか?」
この人は野上良太郎さん(のがみりょうたろう)。この店のオーナーである愛理さんの弟でよく手伝いに来ている。そして言いたくは無いが良太郎さんは……
「良ちゃん、今日は何?マンホールに落ちた?それともこの間みたいに三輪車に撥ねられちゃった?」
今愛理さんの言った事は決して比喩ではなく本当にあった事である。
まぁ、いまさら言わずとも分かると思うが良太郎さんは非常に運が悪いなのだ。
俺も前、たまたま良太郎さんを見かけ話しかけようとしたら自転車に乗っていた良太郎さんの上を通り過ぎた大量のカラスに糞を落とされ、全てに当たるという離れ技をしていた。
決して出来たいとは思わないが……。
今日も服のあちこちが汚れていた。
「いや〜、良太郎君の運の悪さはギネス級ですね」
尾崎さんが良太郎さんについた砂をはらいながらそんな事を言う。
「あ、不味い。持ってきちゃった」
良太郎さんがポケットから代わった黒いパス(?)の様な物を出して焦っていた。
店を出て行こうとしていたので慌てて引き止める。
「ちょっ!良太郎さん。怪我してるんですから休んでて下さい。これは俺が持ってきますから」
そう言って、良太郎さんからパスを取った。
「いや、涼河君。悪いよ」
「怪我人は休んでて下さい。大丈夫です、ちゃんと交番に届けますから」
そう言って俺はコーヒー代の金を置いて店を出た。
そして俺は後で後悔する事になる。なんで俺は大人しく店でコーヒーを飲んで本を読んでいなかったのかと……。
現在 3月3日 時刻 11時40分
俺は今交番へ向かって歩いている。無論、あのパスを届けるためだ。
「早く届けないと落とした人困るだろうな。でもこのパス、変わった形だよな。オーダーメイドか?まぁ、いい。走るか」
そう思い、走ろうとした時だった。
俺の後ろから電車の走る音が聞こえてくる。
まさかな、此処は道路。電車が走るわけがない。
そう思ったのも束
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