暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン  〜生きる少年〜
第一章   護れなかった少年
第二十話   ダーククリムゾン
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ボッ、ボッ、ボッと壁についている松明がついていく。

そういえば当たり前だけど二人でここに来るなんて初めてだな。

そう思って自分たちのバカさ加減に少し苦笑する。

そして、松明がどんどん照らしていく最中、奥に何か黒い何かが見えた。

と、その黒い何かが地面に()()()()()()ように消える。

恐らくあの黒い何かが、クロウルシャドウだろう、と思い、周囲を見渡す。

が、見当たらない。

地面を見るも、床以外何も無い。

慌てて走って黒い何かが消えた所の床を見るが、穴さえ空いていない。

(どうなってるんだ......?)

恐らく、クロウルシャドウらしき何かは地面に潜っているのだろう。そうじゃなきゃ説明できない。
と、いうことは......

(一回潜ると、出てくるまでどこにいるかわからない......か)

とてもやっかいだ。

「えっと......ボスはどこ??」

と、真後ろからネオンに話しかけられる。

ハァ、と溜息をつきながら振り返る。

「ボスは――?」

返答し始めた瞬間、ネオンの斜め後ろ辺りに黒い何かが地面から()()()()ように姿を現した。

頭の中で警報が響く。

ネオンは気づいていないらしく、?と頭をかしげている。

そんな中、後ろの黒い何かが刃物のような形に収束し始める。

アレを無防備で喰らったらヤバい!!

「ネオン後ろ」

「え?――キャッ」

ちなみにネオンの悲鳴は切られた訳では無い。

ただ単に僕が横に突き飛ばしたのだ。

そのせいで僕は今や、刃物の形で収束し、振り上げられている何かの目の前にいるわけで。

本能的に体を横にずらそうとするが、間に合わない。

「うあっ!!」

結果的に、左腕を切り裂かれた。

いや、正確には()()()()()()()

HPがグングン減り、赤の一歩手前の辺りで止まる。
そしてゲージの下に部位欠損を現すマークが現れる。

「ソラッ!!」

「大丈夫!!」

ネオンの声にポーションを飲みながら反応する。

部位欠損は直るのにカナリ時間がかかる。

恐らく、今日中には回復しないだろう。

ってことはこの偵察、右手一本でやるのか......キッツいな......。

と、目の前の刃物の形をした何かがまた、変化し、収束する。

頭からは二本の触覚、目の部分は赤い。そして右手部分はさっきの刃物と同じ感じ、左手には鋭い爪、他は人型だ。

と、そこでやっとカーソルが出てくる。

《 Behind the crawl shadow》
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