暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep9迫り来る刻限〜Time limit〜
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の間、送られてきた写真を見て私は凍りついた。そこに写っていたのは、管理局の魔導師であるなのはちゃん、テスタロッサちゃん、そして先日蒐集したフライハイトちゃんだったのだ。一瞬で頭の中が白くなる。まずいことになった。

(このままだと闇の書の主がはやてちゃんだと知られてしまうわ・・・)

そう思った私は混乱しながらもシグナムへと連絡を入れた。頼れるのはやっぱり、私たちの将だと思ったから。事情を聴いたうえでのシグナムの提案は、私たちの正体を知るなのはちゃん達がお見舞いに来ている間は、私たちは病室に居ないことを心がける、というものだった。だからこうして病室に居ることなく、こんな出歯亀みたいなことをしている。

(でも本当に助かったわぁ、シグナムに連絡して。私ひとりじゃ焦ってばかりで何も出来なかったかも・・・)

シグナムの言うとおりだった。まず、はやてちゃんの魔法資質の大半は“闇の書”の中。詳しく検査されない限りは、はやてちゃんが“闇の書”の主だって気付かれない。もし気付かれていたら今頃大騒ぎだ。それが無いっていうことは、今も気付かれていないことになる。
ああもう。こんなことになるって判っていたら、始めから変身魔法で正体を隠しておけばよかった・・・ってつくづく思う。全ては過ぎたことだと判っていても後悔ばかりが出てくる。もう少し気を遣っていれば、こんなに悩んで考える必要もなかったのに。

「はぁ。はやてちゃんのお友達なのに、挨拶どころか会うことも出来ないなんて」

そう思うと余計に悲しくなってくる。さらに追い込みを掛けてくるような提案を、シグナムは出した。はやてちゃんと主治医である石田先生へのお願い。それは、私たちの名前をなのはちゃん達の前で出さないこと。
明らかに何か勘繰られるようなお願いだ。実際に、なんでなん?、どうしてですか?って聞かれちゃったもの。でも答えられるようなものじゃないから、ただお願いします、って頭を下げることしか出来なかった。シグナムは仕方のないことだって割り切っていたけれど、私はもう辛くて辛くてしょうがなかった。

「どうしてこんなことになっちゃうの?」

私の溜息だけが聞こえた。もう何度目かも判らない。はやてちゃんの病室の前を数往復する中、僅かに開いてる扉の向こうから聞こえてくる楽しそうな笑い声。

(本当に良い子たちなのね、なのはちゃん達も)

楽しそうに談笑するはやてちゃん達の様子を窺って、罪悪感がハッキリと生まれてしまった。確かに必要な行為だったとしても、お見舞いの品を持ってきてくれたなのはちゃん、率先して面白い話をしてはやてちゃんを笑わせているフライハイトちゃんの2人は特にだ。

「シャマルさん? どうかなさったんですか?」

私に声を掛けてきたのは石田先生だった。私は返答に困ってうろ
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