暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep8砂漠の決闘〜Schwertkampf〜
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前は確かだ。それを証明するかのように、私もシグナムも体中にいくつも刀傷が付いてしまっていて、少なからず出血している。量からして失血死なんてことには絶対ないけどさ。と言うか、そもそもなったら困る。

(やっばい。シグナムって強い。でもそれ以上に楽しい・・・♪)

ルシルは以前、シグナムの力量は多く見積もっても中の下クラスの騎士程度だと言っていた。けど実際に剣を交えた私は、シグナムは上位近くに入り込める腕だと思った。

「「カートリッジロード!」」

お互いが同時にデバイスのカートリッジをロードして、標的を撃破するための準備をする。どちらの魔法が一早く相手に到達するかが勝負の分かれ目になるはずだ。

「紫電――」

光牙(シャイン)――」

相手はすぐ目の前。火炎を纏う“レヴァンティン”を振り下ろすシグナム。真紅の魔力光を纏う“トロイメライ”を振り上げる私。速さは互角。ならば威力がものを言う。

「一閃!」「月閃刃(モーントズィッヒェル)!」

真紅の閃光を纏う刃と紅蓮の炎を纏う刃がぶつかり合う。しばらくの鍔迫り合い、膠着状態が続く。シグナムの目を真っ直ぐに見つめる。うん。やっぱりシグナムは悪党なんかじゃない。瞳に映る光には、優しさがちゃんと存在してる。

「「はあああああああッ!」」

そこからまた連撃の応酬。身長差・体重差があり過ぎるけど、なんとか付いていける。何度目かの鍔迫り合いで、「末恐ろしいな、お前は」シグナムが笑った。末恐ろしい、か。未来の私は、過去の私だ。成長じゃなくて元に戻る、だ。もし大人になるまでこの世界に留まれたとき、本当の私でシグナムと戦ってみたいな。そんなシグナムに「楽しみでしょ?」って笑いかけた時、私の耳に“ピシッ”って嫌な音が届いた。

「む・・・!?」

シグナムは自ら間合いをとって、“レヴァンティン”を見る。もちろん私もバックステップで後退して“トロイメライ”を――正確には剣身を見る。

「・・・まさかレヴァンティンにヒビを入れるとは。さすがだなフライハイト」

「シグナムこそさすが。結構頑丈に作ってもらったんだけどなぁ〜」

私の“トロイメライ”にも僅かだけどヒビが入ってしまっていた。“トロイメライ”は、私の魔力とカートリッジの魔力に耐えられるように作ってもらったんだけど、やはり相手は歴戦の剣士。一筋縄ではいかないということだ。

「しかし、純粋な剣技では決着が見えんな。残念だが手段を選んではいられんようだ」

シグナムは“レヴァンティン”を鞘へと収め、カートリッジをロードした。

「そう、だね。ならこちらも手段は選ばずにあなたを倒すから。トロイメライ、ゼーゲ・フォルム」

≪Explosion. S?ge Form≫
 
“トロイメライ”
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