TURN111 二つの切り札その六
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「相変わらず次から次に」
「全くですね」
艦長も応える。
「スノー提督もやられましたし」
「だからだな」
「だからとは」
「俺達はこれまでやられてきたんだろうな」
モスクワまで奪われロシア平原でもだというのだ。
「馬鹿じゃない、本当に」
「むしろかなりですね」
「頭がいいな」
今は酒を飲まずに言うのだった。
「尋常じゃないまでにな」
「そうですね」
「ニガヨモギを何とかしないといけないけれどな」
「?司令」
艦長はここでソナーを観た、するとだった。
ソナーに反応があった、その瞬間に。
無数の魚雷が出て来た、その魚雷達がニガヨモギを撃った。
ニガヨモギはまだ戦場にいる、だがそれでもだった。
「かなりのダメージですね」
「ああ、潜水艦か」
「しかもニガヨモギいえ怪獣姫の注意がです」
見ればハニーとのぞみの艦隊がニガヨモギの前に展開してその関心を引いていた、これでは敵全体への攻撃どころではなかった。
それを見てだ、コンドラチェンコはさらに苦い顔で述べた。
「まずいな、これは」
「はい、そうですね」
エストニアがモニターから応える。
「あのお姫様は軍人じゃないからな」
「戦争の専門家でないから」
「ああした露骨な挑発も見抜けない」
このことが問題だった。
「折角敵軍全体を攻撃しようと思ったがな」
「これではですね」
「無理だ」
コンドラチェンコは苦い顔でエストニアに答えた。
「まずいな、スノー提督もいなくなったしな」
「今主力が敵の艦載機でかなりのダメージを受けています」
「ああ、わかっている」
戦局もモニターに出ていた、枢軸軍の艦載機はここでも暴れ回っていたのだ。
「こっちもヘリがあるがな」
「ヘリの運用にはまだ」
慣れていなかった、今の時点も。
「通常の艦載機より操縦も難しいですから」
「だからだな」
コンドラチェンコも機動部隊の専門家ではない、彼はミサイル部隊出身だ。
「迎撃をしようにも」
「難しいです」
「そうだろうな、ここはな」
「それでもですね」
「ヘリを展開させてだ」
それに加えてだった。
「潜水艦も使え」
「そちらもですね」
「ドクツ軍にも要請してくれ」
彼等にもだというのだ。
「潜水艦を使ってな」
「そのうえで、ですね」
「迎撃だ、ニガヨモギはもうあまり期待しない方がいい」
敵全体を狙う切り札としては、というのだ。
「俺もそっちの指揮に専念したいがな」
「こっちは僕が引き受けるよ」
今度はロシアがモニターに出て来てそのうえでコンドラチェンコに言って来た。
「だから司令は今はね」
「ニガヨモギにっていうんだな」
「うん、そうしてくれるかな」
「わかった」
コンドラチェンコもロシ
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