第133話
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面に映っている天気予報も、『熱中症に注意してください』から『季節の変わり目なので体調管理にお気をつけて』へと一言メッセージが変更されている。
そうした中。
「いたいたいたクソいやがったわねアンタ!!」
昨今の日本語は乱れつつあるのです、という言語評論家の意見を丸ごと証明してしまうような少女の台詞が麻生の元へと飛び掛かってきた。
麻生がそちらへ振り替えると、お嬢様学校で知られる名門常盤台中学の見目麗しい(はずの)女の子が高速で接近してくる所だった。
御坂美琴。
肩まである茶色い髪に、麻生よりも九センチほど低い背丈の少女。
今までの夏服と違い、今はベージュ色のブレザーに紺系チェック柄のプリーツスカートを穿いている。
昨日の今日でピカピカの冬服を受け取った筈なのに、すでにスカートは短くなっていた。
何ともお嬢様な事に、薄っぺらい学生鞄の他に今日はバイオリンらしき楽器のケースを携えている。
ちなみにだが、麻生の所にも男性用の常盤台の冬服が届けられている。
どうやら、常盤台の学園長は麻生の事がとても気に入っているようだ。
麻生は美琴を姿を確認すると、大きくため息を吐いた。
「また、面倒な事が起こりそうだな。」
「人の顔を見るなりその反応は何なのよ!!」
「ぎゃあぎゃあ騒ぐな。
それで何の様だ?
こっちは眠いから、手短に頼む。
というより、無視して帰って寝て良いか?」
「ただでさえムカつく対応により一層の拍車がかかってるわね。」
美琴はわずかに首を横に傾け、唇を邪悪に歪めつつ言った。
「っつか、今のアンタにそんな大それたクチを聞くだけの権利があるとでも思ってんのかしらー?」
平べったい美琴の言葉に何やら邪悪な意思らしきものを感じ取った麻生は、直感が告げていた。
これはもの凄い面倒事に巻き込まれると。
そこへ常盤台中学のエース、品行方正(でないと困る)なるお嬢様は腕を組んで一言、告げる。
「罰ゲームよん♪」
やっぱり嫌な予感が当たった。
麻生は小さくため息を吐く。
罰ゲーム、というのは九月一九日から七日間にわたって繰り広げられた、学園都市総出の大規模体育祭『大覇星祭』で麻生と上条と美琴の間で取り決めを行った『賭け』にまつわるものだ(麻生本人は取り決めた覚えは一切ない)。
簡単に言って、順位の低かった方が相手の言う事を聞く、という内容である。
能力開発の街である学園都市では、体育祭でそういった能力を使用する事も許可されていた。
そして常盤台中学の面々は数億ボルトもの高圧電流の槍や風速八〇メートルもの突風の壁などを用いて対戦校を生徒達を薙ぎ払っていく、という自然災害みたいな戦法を取ってきたのだ。
麻生の高校と美琴の常盤台中学とは、三日目の直接対決があったが、その全
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