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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百三十二話:男のロマン
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も戻し、改めてリボンも結び直して。
「お待たせ!じゃあ行こうか!」
気分を切り替えて、馬車の外に出ると。
『うん!行こう、ドーラちゃん!』
「参りましょうか」
「おーし!いこーぜー!」
「ピキー!」
「………………行くか」
元気に応じてくれる仲間たちに、どんよりとしたヘンリー。
何これ、どうしよう。
とりあえず、モモに近寄って状況を聞いてみます。
「……モモ。ヘンリー、どうしたの?」
『うーん。ピエールさんに通訳してもらいながら、一緒にお説教してみたんだけど。最初はぼんやりしてるみたいだったのが、なんか言う度にどんどん落ち込んでいっちゃって。途中からはコドランくんたちも一緒に励ますようにしてみたんだけど、それでもやっぱり変わらなくて。ずっとあんな感じなの』
「……」
何それ、めんどくさい。
え、ていうか私が悪いの?
もしかしてやっぱり、言い過ぎだったの?
考え込む私に、ピエールがそっと近寄ってきて小声で進言します。
「……ドーラ様。ヘンリー殿は確かに引き際を間違えたところはござりましたが、あの御言葉はいかにも酷であったかと。拙者らの取り成しでは最早どうにもなりませぬゆえ、どうか」
「……わかった」
私の保護者たるピエールに、この状況でこんなフォローの言葉を吐かせるほどとは。
なんて、めんどくさいんだ。
でもそんなに堪えるとは思わなかったし、あれだけのことでそこまで落ち込ませてしまったなら、やっぱり私も悪かったか。
どんよりとした空気を纏って溜め息を吐くヘンリーに、歩み寄って声をかけます。
「ヘンリー」
俯いた顔をのろのろと持ち上げて、ヘンリーが答えます。
「…………ドーラ。…………悪かった」
間が長い。
空気が重い。
そんなにか。
そんなに、ショックだったのか。
「いいよ、もう。確かに怒ってたけど、そこまで落ち込ませたかったわけじゃないし。もう、気にしないで」
「…………嫌いに、なったか?もう」
「なってないから。あれだけでどうこうなるほど、短い付き合いじゃないでしょ」
好感度的なものが存在するなら、多少は下がったかもしれないけれども。
それでもマイナスに振り切って嫌うまでいくのは、よほどのことがない限りもう無理だろう。
「……お前に、嫌われたら。……俺は」
「だから、ならないから嫌いにとか。私が怒ってるのがどう言ったら伝わるかって、考えたらああなっただけで。ばかとかそんなこと言っても、そんなに効かないでしょ?」
「……嫌いじゃ、無いのか?」
「うん。でも、怒ってたけどね。そんなに落ち込むと思わなかったから。酷いこと言っちゃったみたいで、ごめんね」
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