Introduction
第一話 IS学園のイレギュラー
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だよ。あ! もしIS学園に行くならちーちゃんのことよろしくね。きっと寂しい思いをしてると思うんだ……。あとあと、もしかしたら来年にわたしの妹が入るかもしれないからせっかくだから見守ってほしいな! だめかな? いいよね!』
勝手な物言いではあるが、こうして僕にお願い事をしてくれることは素直に嬉しかった。
こうして僕は嫌々ながらもIS学園に通う意義を見出し、この場にいる。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
……それにしても、この状況。
自己紹介を終えた僕ではあるが、騒ぎが収まらず未だ教壇の前で立ち尽くしている。
山田先生は横でオロオロしていて頼りになりそうもない。……いや、せめて何か助け舟出しくださいよ。
クラスメイトが騒ぐ原因はいくつか心当たりがある。
まずは姉と同じこの容姿だろう。
客観的に見て、姉は美人の部類だった。それも超がつくほどの。
肩ほどまで自然に流れる白銀の髪、目鼻のハッキリとした整った顔立ちにどこまでも吸い込まれるような深さを持つ漆黒の瞳。そして日頃の鍛錬により、引き締まったスタイル。身長も170cmほどあり女子の中では高いほうだった。
当然、それは同じ存在である僕にも当てはまった。でも女性としては褒められるその容姿も男の僕には虐めの材料だった。女の真似するな、男のくせに気持ち悪い、など数えきれないほどの罵りを経験した。時期が女尊男卑に偏り始めた時期だけになおさらだ。
立場が違うだけでこうまで変わるのか、と今更ながらに実感してしまう。
今は好意的な目であるとはいえ、この容姿はコンプレックスでもあるため素直に受け取れない。
あとは誰かが言っていたが学年主席ということ。
試験を受けたのは姉だが、僕も同じ試験を受ければ同程度はできると思う。でも今回は僕の実績ではないので少しこそばゆい。
加えてこのクラスにその学年主席が僕のほかにもう一人いるということで、噂がより広がっていたようだ。
入学直前にISでの実技試験があったけど入学が決まった1月ごろからはほとんど中学にも行かずにISの操縦訓練とデータ取りをSTCで行っていたこともあり問題なく終了した。
束さんとも連絡を取り合っていたので何回か会ってISについて聞いたりもした。逃亡中だったはずなのに大丈夫なのか?
ちなみにIS操縦のための肉体的素質の基準、IS適性というものも測定したところ僕は『B』だった。
IS適性はC〜Sにわかれていて、当然Sが最高ランク。もっともそんな人は数えるほどしかいない。
つまり、僕は可もなく不可もなく、といったところ。それでも試験で教官(山田先生が相手だった)を倒すことができたのは、STCから支給されている専用機との相性がよかったことと日頃の訓練、鍛錬の賜物だろ
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