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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Introduction
第一話 IS学園のイレギュラー
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れをとってしまい国内の量産機には『打鉄』という他社の機体が採用されてしまった。
 そこでSTCは専用機の開発に方針転換する。将来的には当然ながら国家代表の専用機の制作だ。もしモンド・グロッソ優勝者が使っていた機体を開発したとなれば、次世代量産機のコンペでも大幅に有利となる。

 その一歩が、トップの娘である紫音によるIS学園の入学だった。
 僕と紫音は昔から様々な教育、訓練を受けており自慢ではないが基礎能力は高いと思う。
 その紫音に専用機を持たせ、IS学園に入学させることで戦闘データを取る機会を作るだけでなく、他国の代表候補生などの専用機のデータを取らせることにした。
 なにせ今年は学生にして既にロシア代表という規格外が入学するという。モンド・グロッソを焦点とするならこれ以上ないタイミングだったんだろう。

 紫音が急に倒れたため、その目論見も破れたかに思われた。
 そんな折、僕のIS騒動である。
 
 紫音が倒れたことは極秘でありSTCの人間にも上層部以外に知らされていなかったこと。
 僕が紫音と同程度の能力を持ち、同じ容姿を持っていたこと。
 既に入学手続きは済んでおり、あとは通うだけだったということ。

 そんな理由から、世界で初めてISを動かした男は、女として学園に通うことになってしまった。
 男であることを公開しないのはそのデータを独占したいからだろう。
 公になれば恐らく国家の保護下に置かれることになる。そうなれば専用機などのデータもすべて要求されてしまい、当初の目的が果たせない。
 そして紫苑の存在など、西園寺グループにとっては傀儡としての父の予備程度の扱いでしかない。
 結局、僕は紫音として学園に通い、体裁として紫苑は海外留学をしているという設定になった。

 本来なら、そんなの頼まれたってお断りだ。
 当然、バレたら大変なことになる。女装して女の園に入り込んだ変態さんの烙印を押されるのは避けられないだろう。それどころか男性操縦者としていろいろ実験されるかもしれない。こんな変態に人権はない。僕は変態じゃないけど。

 でも父に頼まれてしまった、この家で唯一の味方だった人。
 女尊男卑の世の中になり、辛い立場になりながらも僕のことを気にかけてくれた。
 西園寺グループは表面上は父がトップにはいるが、実権は母が握っている。僕の扱いも全て彼女に指示されたものらしい。母の姿など、生まれてから一度も見たことがない。しかしどこからか家の人間に指示を出し、僕を縛り続けた。
 そんな僕を気にかけてくれた父の初めての頼み、断るのも気が引けた。例えそれすらも計算された母の命令だったとしても。

 しかし、何より大きかったのは僕にとって初めての友人の言葉だった。

『束さんはいつだってしーちゃんの味方
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