Introduction
第一話 IS学園のイレギュラー
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越したことはない。
「…………」
あ、あれ? やっぱり何か変だった……?
いくら一通りの礼儀作法なんかも受けてきたとはいえ、慣れない真似したせいで無理があったかな……?
「キ……」
キ?
「キャーーーーー!」
うわ! な、なにごと?
「素敵な声! それに西園寺ってあの西園寺!?」
「本当に綺麗な髪と立ち姿、天使かと思いました!」
「あぁ、教室に入った時に思わずその姿に見惚れてしまいました」
「噂の学年主席の一人がこんなに素敵な方だったなんて!」
「うぅ、お嫁さんにしたい……」
どういうこと……、特に最後の人!
でも、認めたくないけどそういうことか……。別に教室に入るときも変に思われたわけじゃなくて……。
いや、今まで忌避の対象だった髪の毛の色を褒めてもらえたりするのは複雑ではあるけど嬉しいよ。
でもね、女子の制服を着て女子としてこの場にいるけどね。
私は……、僕は……
男なんだよ!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
西園寺紫苑、それが僕の名前。
本来であればこの場所に来るのは姉の紫音だった。
でも既に入学が決まっていたその姉が急に倒れ、意識不明となった。原因不明の病気らしい。
好きとは言えなかった、寧ろ嫌悪すら抱いていた姉だったがその急な報せには驚いた。通っていた中学での授業中に先生に知らされ、病院に向かったがそこに姉はいなかった。すぐさま海外の病院に移されたという。
紫音は双子の姉であり、自分と全く同じ存在だった。
髪の色から運動や勉強の出来もほとんど変わらない。
一卵性の双子だったらしいのだが、本来ありえないことに性別が異なる。原因は不明らしい。
ISが出来てからは同じ存在でも似て非なるもの。男女の違いのみで僕は貶され姉は持て囃される。
紫音との会話はほとんど記憶にない。お互いが避けていたように思う。
誰よりも近くにいて、誰よりも近い人間だったのに、誰よりも遠い存在になっていた。
無意識に主のいなくなった部屋に入る。そこに残されていたのは、ここ数ヶ月姉が身に着けていた指輪。
何の気なしに触れた瞬間、世界が変わった。僕の周囲に展開する漆黒の装甲。女性にしか起動できないはずのインフィニット・ストラトス、ISを男の僕が起動させてしまった。その指輪は待機状態の彼女の専用機だったのだ。
僕の父親は通称『STC(Saionji Technologies Corporation)』という、国内でISが開発されるまではトップシェアを争っていた大手軍需産業会社を傘下に持つ西園寺グループのトップだ。
当然、ISの開発にも躍起になっていたのだが、一歩遅
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