Introduction
第一話 IS学園のイレギュラー
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少しだけ気分が晴れていた。
狙ってやったのかはわからないが効果的だ、でもちょっと負けた気がするのは何故だろう。
いろいろ考えながら歩いていると、教室の前までやってきた。
『1-1』、これから通うことになるクラスだ。
ふと、教室の扉を開けるのに躊躇する。
ええい、悩んでいても仕方ない! そう決心して扉を開け、中に一歩足を踏み入れる。
直後、空気が変わった気がする。周りの視線がこちらに集中した。
……あれ? なにかまずいことしただろうか、それともどこか変だったかな……?
「し、失礼します」
そのまま立ったまま衆目に晒されているのも辛いので、自分の席を探し出して座ることにする。
出席番号順に割り振られたその席はすぐに見つかった。
視線もそれに合わせて移動してきている気がする。いや、気のせいだ、うん。……気のせいだよね?
「はい、皆さん席についてくださいね。SHRをはじめますよ〜」
謎の空気に晒されて心が折れかけていたところに救いの声が入る。
入ってきたのはある一点を除けば高校生、下手をすれば中学生に見られかねない容姿のメガネの女性だった。ちなみにその一点とは女性の象徴であり、彼女の童顔に反してかなりのインパクトをもたらしている。
「えっと、私がみなさんのクラスの副担任の山田真耶です。よろしくお願いしますね〜」
「…………」
空気が重い。さっきは現実逃避したけどもやっぱり視線はこちらに集中している気がする。
ん、さっきとちょっと違う……かな。なんていうかこの席の周りに……?
「あぅ、た、担任の先生は会議で少し遅れますので、皆さん自己紹介をしていきましょうか。で、では出席番号順にお願いします」
今度は山田先生の心が折れかけているけど大丈夫かな。とはいえこの空気の中心となっている以上自分から動く気にはなれない。せめて自分の番ではスムーズにいくよう頑張りますね。
「では、次に西園寺さん」
そんなことを考えているうちに順番がきた。
本来、束さん同様に人付き合いなどとは無縁な生き方をしてきたけどここではそうはいかない。
自分は完全なイレギュラー、もし秘密がバレれば命はないかもしれない。千冬さんにも迷惑がかかってしまう。
「西園寺紫音です。趣味は読書と料理。私は専用機を持ってはいますが、立場上は企業のテストパイロットなので、このクラスに在籍されてます代表候補生の方々とは少し異なりますね。あと、このような髪の色ですが、日本人です。皆さん、どうかよろしくお願いします」
そう言いながらできるだけの笑みを浮かべて一礼する。
一応世界有数のトップ企業のお嬢様という立場なので、それなりに言葉や仕草には気を遣っておくに
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