第132話
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ローン製造の他に一方通行のメンテナンスも行っていた。
絶対能力者関連の研究が中止になったとしても、彼は相変わらず学園都市最強の超能力者であり、優れた研究素材でもある。
桔梗に色々調べさせて、新たな能力開発技術に応用できれば莫大な利益が得られるはずだ。
どこまで行っても何者かの思惑や影響を感じ続ける。
まぁ、一方通行がこれまで出会ってきた人間の大半は外道の一言に尽きるような連中ばかりだ。
そういった大人達の呪縛から逃れられると思えば、まだ桔梗の行動の決定権を貸しておいた方がいくらか気が楽かもしれない。
無論、彼女のやり方に納得がいかない場合はさっさと叩き潰して他を当たる予定だ。
しかし、桔梗は振り返りもせず一言で告げた。
「違うわよ。」
「あン?」
「わたしはキミの次の管理者ではないと言っているの。
冷静に考えてご覧さないな。
今の芳川桔梗は研究職を終われて無職に近い状態よ。
しかも『実験』当時と八月三一日の二回もキミが中心となる事件に関与した。
これで保護者や務まると判断したなら統括理事会は全員今すぐ首を切るべきだわ。」
「って事はナニか?
オマエはただの使いパシリってトコか。
これから俺達を見知らぬ研究者に引き渡すっつー訳だな。」
「猜疑的ね。
キミの生活環境を見れば当然でしょうけれど。
ただ、その意見には二つの間違いがあると指摘しておくわ。
一つ目はキミも知っている人に引き渡すつもりだし、二つ目はその人は研究職の人間でもない。」
「・・・・・」
一方通行は目を細めて桔梗の言葉を頭の中で珍味する。
信用ならない。
隣に座っているこのガキの存在が気に喰わないが、この程度のハンデを抱えていても敵対者を叩き潰せる。
これから長期間にわたって見えない襲撃者を警戒し続けるよりも、ここで顔を見てから丁寧に潰していった方が手っ取り早そうでもある。
(退屈な事になりそォだな。)
と、そこへ、完璧に無邪気な打ち止めが呑気に言った。
「研究者じゃない人なんてヨミカワぐらいしか知らないかも、ってミサカはミサカは手を挙げてから発言してみたり。」
「正解。」
桔梗は楽しそうに答える。
ヨミカワというのは、芳川桔梗としても数少ない『表世界の友人』であり、学園都市の警備員を務める女性の事だ。
桔梗が倒れてからは、暫定的に病室の一方通行と打ち止めの面倒を見ていた一人である。
言われるまでその可能性に気がつかなかった一方通行は小さく舌打ちをした。
それを聞いた桔梗は楽しそうな声で言う。
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