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とある星の力を使いし者
第132話
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片によって傷つけられた脳の後遺症は抜け切れておらず、今も首に巻いたチョーカー型の電極によって機能の一部を補っている状態である。
それがなければ言葉を交わす事もできないし、自分の足で立つ事もできないほどなのだ。
まぁ、あれだけの傷を負って日常生活に戻ってこれらだけでも奇跡的ではあるのだが。
そんな事情もあり、彼らは現在病院の正面玄関に立っている。
本来なら桔梗自身も先月末日に心臓を掠める形で銃弾を受けている身であり、子供の面倒を見ていられるような体調ではないのだが、それでも彼女はこの役を引き受けた。
やらなければならないのではない。
これは自分でやりたいのだ。

「はいはい。
 ここは出入り口だから遊んでいると他の人の迷惑よ。
 そういうのは荷物を置いて一段落してからにしましょう。」

「ミサカは遊んでないもん!、って重心を下へ下へと押し付けながら真剣な顔で抗議してみたり!!」

「この滴り落ちるほどのレジャー感覚が遊びじゃなけりゃ何なンだよオマエ!!」

今にもスポーツバッグに押し潰されそうになりながら、一方通行(アクセラレータ)が叫ぶ。
芳川はそういったやり取りを聞かずに玄関から少し離れると、待たせてあったタクシーの運転手に軽く手を振る。
ゆったりと手慣れた動きで乗用車がこちらへやってきた。
一方通行(アクセラレータ)打ち止め(ラストオーダー)の乗っかった荷物を運転手に掲げて言う。

「丸ごとトランクに押し込ンでやるから今すぐ開けろ。」

「ミサカお荷物扱い!?、ってミサカはミサカは戦慄と共に後部座席に逃げ込んでみる!!」

一方通行(アクセラレータ)後部座席にスポーツバッグを投げ込んで打ち止め(ラストオーダー)をムギューと押し潰すと、空いたスペースに腰掛ける。
後部座席は人数的にまだ余裕があったが、あのドタバタに巻き込まれるつもりはないので桔梗は助手席の方に回る。
念のために運転手に言っておいた。

「彼らは退院直後のシャバの空気でハイになっています。」

「あはは、子供さんの場合はそれぐらい元気があった方が良いんじゃないですか。」

「あと小さい方は車に慣れていないので吐くかも。」

「ッ!?」

運転手がビクゥ!!、と身体を震わせた。
新人かな、と芳川は適当な評価を下した。
一方通行(アクセラレータ)がスポーツバッグを確保して打ち止め(ラストオーダー)から離れていくのがドタバタした音で分かる。
実は桔梗のハッタリで、この文句を言っておくと運転がより丁寧になると言うだけだったのだが、あんまりメジャーな裏技ではなかったようだ。
生卵の運搬業者のようにタクシーは滑らかに発進する。
桔梗は運転手に行き先を告げ、メーターの上にあるデジタル時計を確認すると、時刻はもうすぐ
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