ひとりの人
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1番の計算ミスだな」
「咄嗟の言い訳ほど苦しいものはないよな」
その言葉に、エルザは憎々しげに2人を睨みつける。
「やはり・・・お前達は結託していたのだな・・・」
ヤジマは見つめていた。
――――――誰もいない、否、先ほどまでジークレインがいた空間を。
「消えた・・・ジークが・・・消えた」
「結託?それは少し違うぞ、エルザ」
双子は全く同じ笑みを浮かべ、衝撃の真実を口にした。
「俺達は1人の人間だ。最初からな」
その瞬間、ジークレインが映像のようにブレ―――――――姿を消した。
「そ、そんな・・・まさか・・・」
並んだジェラールに、ジークレインが合わさり、1つになっていく。
「思念体!?」
思念体とは、実態を持たない分身をつくる魔法だ。
つまり――――――
「そう、ジークは俺自身だよ」
今まで評議員の10人として生きていたジークレインは評議員の1人であると同時に――――偽りの楽園の支配者でもあったのだ。
「バカな!な、ならばエーテリオンを落としたのも自分自身!!!その為に評議院に潜り込んだと!?」
驚愕するエルザに、ジェラールは笑みを浮かべる。
「かりそめの自由は楽しかったか、エルザ。全てはゼレフを復活させる為のシナリオだった」
そのジェラールの言葉に、表情に、姿に。
エルザは怒号を上げる。
「貴様は一体どれだけのものを欺いて生きているんだァ!!!!」
が、ジェラールはそんなエルザの怒号など意にも介さず、ゆっくりと、自分の手を握りしめた。
「フフ・・・力だ・・・魔力が戻ってきたぞ」
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