ひとりの人
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27億イデアの魔力を吸収する事に成功した!!!!ここに、Rシステムが完成したのだァ!!!!」
そう。ジェラールの本当の目的はこれだった。
Rシステムは禁忌の魔法であり、発動には27億イデアもの魔力が必要となる。
エルザの言った通り、そんな膨大な魔力は大陸中の魔導士でやっと足りるかどうか、というほどだ。
―――――――が、ジェラールにそんな事は通用しなかった。
彼はそんな事はとっくに知っていたのだ。
だから、27億イデアの魔力を一気に手に入れる方法を思いついた。
全てを『無』に還す超絶時空破壊魔法、エーテリオンを吸収するという、有り得ない方法を。
「目標健在!い、いえ!何だアレは!」
「巨大な魔水晶!」
「魔水晶がエーテリオンの魔力を吸収したァ!?」
「何じゃと!?」
突然の言葉に評議員たちは驚愕する。
ワーワーと騒ぎ出す評議員たちを、ジークレインは2階から見つめていた。
「ジーク!これは一体どういう事かね!」
その背中にヤジマは怒ったように声を掛け―――――
「!」
驚愕した。
「だ・・・騙したのか・・・」
「可愛かったぞ、エルザ」
ジェラールを睨むエルザに、声がかかる。
その声は聞き覚えがあり、今も聞いている声だ。
「え!?」
その人物を見て、エルザは驚愕する。
「ジェラールも本来の力を出せなかったんだよ。本気でやばかったから騙すしかなかった」
笑みを浮かべそう言う人物は―――――
「ジークレイン!?」
本来ならERAにいるはずの評議員10人の1人・・・ジークレインだった。
その顔は、その声は、全てがジェラールにそっくりで、鏡に映したかのように見える。
「な・・・なぜ貴様がここに!?」
エルザが叫ぶが、ジークレインは思い出話を話し始める。
「初めて会った時の事を思い出すよ、エルザ。マカロフと共に始末書を提出しに来た時か。ジェラールと間違えて俺に襲い掛かってきた。まぁ・・・同じ顔だし無理もないか・・・」
水晶の塔に、ジークレインの声だけが響く。
「双子だと聞いて、やっと納得してくれたよな。しかし、お前は敵意を剥き出しにしていたな」
「当たり前だ!貴様は兄のくせにジェラールのやろうとしてる事を黙認していた!いや・・・それどころか私を監視していた!」
「そうだったな・・・そこは俺のミスだった。あの時『ジェラールを必ず見つけて殺す』とか言っておくべきだった」
そう言いながら、ジークレインは双子の弟のジェラールに歩み寄る。
「しかし・・・せっかく評議院に入れたのに、お前に出会ってしまったのが
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