話数その22 違えない
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トが中心のサラダを口にかきこむと、ゴクリッとつばを飲み込む音が、有り得ない程大きく店内に響く。兵藤達が謝る様に此方に頭を下げ、少女達を諌めているのを横目で見た晋は、食べるスピードを更に早めた。
「お待たせしました、ハンバーグセット各種でございま―――」
「Give me!」
「Can not stand!」
「きゃあっ!?」
「You guys What I'm doing! ……本当にすみません」
「い、いえ…」
(……兵藤も英語喋れんのかよ……しかも、えらく流暢だなオイ……)
実はこの兵藤の英語には秘密があるのだが、晋はそんなこと知る由もない。
(……よし、ようやく食い終わった…っ!)
食べ終わった後の余韻に浸る間もなく、晋はレジへと直行する。しかし又もや、行く手を阻む出来事があった。
レジにめっちゃ人が並んでいたのだ。しかも最後尾が、店内の食事スペースまではみ出てしまっている。
(あ〜……クソったれ…! なんで今日に限って……!)
何時なら晋は、この状況でもダルさを感じるのだが、今はダルさではなくイライラを感じていた。と言うかそこまでかかわりたくないのだろうか。まぁ、彼等といると晋の目的である、“静かに暮らす事”の妨げになる事しか今の所来ていないので、離れたくなるのも当然かもしれない。
「お客様、お待たせしました」
(……次だ、次で俺の番だ…)
これでやっと解放されるとホッとする晋、前の人がお金を出すのにもたついて時間が掛かっているのには多少イラついたが、それでも此処を出られればそれでいいと考えている。
(……よし、金のチェックは完璧で―――)
「あ!? お前、灰原じゃねぇか!!」
(……俺が一体何をした……)
人生は、そう甘くない。
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