暁 〜小説投稿サイト〜
トライアングラー+α
七話
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ここって…」

「グリフィスパークって言ってな…ランカちゃんとかもよく来るらしいんだわ…」

「あの子…すごいわよね…キラキラしてて…」

シェリルが人を誉めるなんて滅多になかったので、ビックリしたが、問題はその後だ。

「後ろから追いかけてくる影って怖いのよね…」

あのシェリルが。プライドと自尊心の固まりのシェリルが、弱気な発言をした。

それだけでも驚きだが、もっと驚きはシェリルの顔にあった。

「おまえ…泣いて…」

「泣いてない!」

なんと、泣いていたのだ。

シェリルに出会って数ヶ月たつが、初めてのことだった。

「まったく…泣くこたぁねーだろーよ」

「だから泣いてないって!」

不安にかられてのことか…はたまたグリフィスパークの壮大な景色に感動したのか…

どっちにしても…

「たまには弱いところ見せたっていいんじゃねーか?片肘張るなって」

「…アンタねぇ…」

自分よりも若干低く綺麗なストロベリーブロンドの頭をポンポンとたたくと、一気にシェリルが子供っぽく感じられた。

そうだ…まだ年端のいかない少女なのだから…

それでも、強く、自尊心が高く、実は脆い…

そんな、シェリルが…



夕陽の照るグリフィスパークで二人の陰は日が暮れるまで、無くなることはなかった。
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