暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
2nd Episode:
夜天の主と雲の騎士
Ep1冬空に来たるは襲撃者〜Reunion〜
[5/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
也兄さんの返事を聞かないまま踵を返して裏山へ走り出す。最初の角を曲がった直後、この周囲一帯に結界が張られたのが判った。

「なのは・・・じゃないよね?」

この結界。ミッドチルダ式じゃない。私の知らない別の術式だ。

「・・・蒼い狼・・? 私に何か用でもあるの?」

なのはに念話を送ろうとした時、蒼い毛並みを持つ狼がスッと私の前に現れた。その光景にはかる〜く既視感を覚える。そう、アルフの時みたい。もしアルフと同じように使い魔なら話すことが出来ると思い、声を掛けてみるけど返事はなかった。

「用がないのならもう帰るけど、いいよね?」

「恨みはないが、お前の魔力をいただいていく」

私はわざと狼に背を向けて帰る素振りを見せてみた。するとようやく狼が言葉を発したんだけど、それが結構危ない発言で。私は振り向き、狼の目をしっかりと見て今の言葉の真偽を確かめる。

(魔力をいただだくって。そんな鮮血姫じゃあるまいし、血でも吸おうというのかな?)

かつての同僚、第三騎士ドリット・リッターの鮮血姫シリアみたいに、相手の血液を吸収することによって対象の魔力を自らの魔力に融合させて扱うという方法でも取る、とでも言うのかしら・・・。

「理由も判らないまま魔力を奪われるなんてイヤなんだけど?」

そう返すけど、もうあの狼からは何も言ってこない。話す必要がないということらしい。初めから力ずくってわけなのね。だったらこっちも・・・手加減なしでいくよ。

「そう。なら力ずくで聞かせてもらうから!」

“トロイメライ”を起動させて、戦闘甲冑と同じデザインのバリアジャケットへと変身する。白いフレアーワンピース。裾が波打ったようなやつね。前立てのラインが青い、白を基調としたインナースーツ。アウターは前立てのない白いショートジャケット。両肩部分、背中部分にフライハイト家の紋章であるFの両側に翼竜といった紋が刺繍されている。

「よしっ。良い着心地♪」

指環型の待機モードだった“トロイメライ”が、ラピスラズリ色に輝く長刀となる。エイミィとその知り合いの技術者マリエルさんの話によると、これはなのは達の使っているインテリジェントデバイスとは違い、アームドデバイスと呼ばれている物らしい。ミッドチルダでは使い手が少ないとされていて、ベルカ式と呼ばれている術式を扱う魔導師のデバイスとのことだった。

(以前ユーノに教わった、ベルカの騎士が扱うデバイスね)

魔力の籠められた弾丸を使用することで一時的に爆発的な魔力が扱えるという優れもの。本当はインテリジェントデバイスが良かったな、と思っていたけど相性が悪くて断念。でも使い慣れると、こちらの方が手にしっくりと来た。私はやっぱり接近戦タイプだ。

「それはアームドデバイス!? まさ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ