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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第29話 母上が交渉?本当に大丈夫?
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道具袋の事を知っている、ディーネとファビオは苦笑いを浮かべているようだ。
「詮索は無用にお願いします」
「ム……分かった。しかし随分巨大な瓶だな。中身はただの水の……!? まさか!!」
「お察しの通りと思います」
「いや……あり得ないだろう」
「この瓶の中身は、全て“水の精霊の涙”です」
モンモランシ家の3人が、仲良くフリーズしている。少しだけ間をおいて、私は口を開いた。
「ドリュアス家ではラグドリアン湖の水の精霊に、分霊を2回ほどお願いした事があります。それに了承していただき、分霊を納めていた瓶がこれです。分霊を解除後、分霊は“水の精霊の涙”になります」
私の説明に、伯爵がなんとか頷いた。コレットとモンモランシーは、あまりに規模が大きい話に全くついて来れない様だ。
「この“水の精霊の涙”を材料に、秘薬の調合と販売をお願いしたいのです。その際の条件が有ります。
一つ、人の心を操作する御禁制の秘薬を絶対に作らない事。
二つ、“水の精霊の涙”をそのまま売りに出さない事。
三つ、この事は極秘とし絶対に口外しない事。
四つ、ドリュアス家の開拓に出来る限り協力する事。
以上の四つが条件です」
「その条件自体は問題ないが……」
恐らくモンモランシ伯は、取り分の話を聞きたいのだろう。
「こちらの取り分は、そちらが出した利益の半分です」
「それでは、こちらの利益が低すぎる!!」
モンモランシ伯が、間髪入れずに言って来た。一瞬何故? と思ったが、モンモランシ伯は“水の精霊の涙”の代金を、別に請求されると考えているのだろう。
「残念ながらこれ以上譲る事は出来ません。本来ならば、利益の9割をこちらの取り分としても、そちらの利益は十分出るはずです」
「そんな訳な……」
「利益の中に“水の精霊の涙”の金額が入っていてもですか?」
「なっ!! そんな……まさか」
モンモランシ伯が絶句するのも分かる。
「ドリュアス家の狙いは、モンモランシ家の早期復興と関係強化です。後は言わずとも、お分かり頂けると思いますが」
「しかしそれでも、あまりにこちらが貰いすぎだろう」
「人の心を操作する秘薬を作られ、ドリュアス家やそれに近い人間に使われるなら、このまま廃棄しようと考えていました。それを考えれば、こちらは金銭が入って来るだけマシです」
「そうかもしれんが……」
「中央に居る貴族達の中には、ドリュアス家を潰したいと考えている者達が多く居ます。金銭的問題も大きいですが、何より発言力が問題です。ドリュアス家とヴァリエール家だけでは、対抗しきれない可能性が高いのです。よって、モンモランシ家に早期復興していただき、味方をして欲しいのです
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