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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第29話 母上が交渉?本当に大丈夫?
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のはファビオだった。

「説明を引き継がせていただきます。ミレーヌ様は……」

 ファビオが話し始めると、モンモランシ伯は黙って椅子に座った。

 ファビオの大まかな説明に、モンモランシ伯は黙って聞いている。その表情は沈痛そのものだった。この場には、ファビオの淡々とした報告の声のみが響いている。

 ミレーヌが逃げた先の村の話。
 その村が森に呑まれた話。
 次にドリュアス領に行く話。
 途中で亜人に襲撃された話。

 そして、ミレーヌの最後。

 その後、ディーネがドリュアス家に迎え入れられた話。
 そしてモンモランシ伯が、ミレーヌを探しているのを知ったのがつい最近である事。
 そこまで話すと「以上です」と、締め括った。

 次はドリュアス家としての見解を伝えなければならない。今回ギルバートではなく私が来たのも、この見解はディーネの親となった者……つまり、私かアズロックが言わなければならないと思ったからだ。

「ドリュアス家は、ディーネの出自を知っていて受け入れました。伯爵も知っての通り、私達夫婦は大貴族の私生児を親に持ちます。ディーネの立場に、感じるものがありました。だからディーネを娘として、ドリュアス家に受け入れました」

「では……」

 モンモランシ伯が口を開いたが、私はその先を言わせるつもりはなかった。

「ディーネは私の娘です。今更誰かに渡す心算はありません」

「だが……しかし……」

 モンモランシ伯は、ディーネを養子として引き取りたいと考えていたのだろう。伯爵の胸中が、複雑な思いで一杯になっているのが良く分かる。探し人は既に死んでいて、その娘は今幸せに暮らしているなら、今更出しゃばる事も出来ない。出来ないが……何かしてやりたい。と、そう思っているに違いない。

「そう……だな。私が何と言っても、今更だな。だが、時々で良いからディーネを連れて遊びに来るなり、私達がそちらにお邪魔するなりしても良いだろうか?」

「ええ。もちろんです」

「……ありがとう」 

 伯爵に礼を述べられた事により、ようやく次の話に移る事が出来る。先の話の伯爵の反応により、次の話は完全に無かった事にする心算だったのだ。少しだけ間を開け、私は口を開いた。

「次の話に入りましょう」

「次?」

 伯爵の疑問の声を黙殺して、ギルバートから預かった魔法の道具袋から巨大な瓶を二つ取り出した。それをテーブルの上にデンッと置く。腰の道具袋から座ったまま出したので、テーブルが邪魔で何処から出したか分からないだろう。

(本当にこの道具袋は便利ね。ギルバートちゃんから没収しようかしら?)

「!! 何処から!?」「あれ?」「え?」

 そんな思考を、驚きの声がさえぎった。既にこの
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