暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第29話 母上が交渉?本当に大丈夫?
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た形になっている。これは対外的に良く無いだろう。

「ゴホン。あー、その、何だ」

「あなたは黙ってて!!」

「……はい」

 コレットは一喝で、自分の夫を黙らせてしまった。そこには、当主や夫としての威厳など一欠片も無かった。いっそ清々しいほどである。恐らく水の精霊に言った、NGワードの所為だろう。以前のコレットなら、夫を立てて妻として一歩引く性格だったのに……。よほど腹にすえかねているのか?

「さぁ、行きましょう。シルフィア」

「ええ。ディーネ。行きますよ」「ほら、モンモランシーも」

「はい」「はーい」

 コレットに引っ張られる私達の後を、肩をガックリと落としたモンモランシ伯がトボトボとついてきた。



 私とディーネはコレットに誘われるまま、お茶とお菓子を楽しんでいた。モンモランシ伯はファビオと少し話した様だが、それ以外は肩身が狭そうにしていた。しかし、何時までもこのままと言う訳には行かないだろう。こちらにも要件と言う物が有る。

「コレット。私も今日ここへ来た要件があるの。聞き耳の無い部屋で話せないかしら? それからこの話は、モンモランシーにも聞いてほしいのだけど……」

「分かったわ。あなた。モンモランシー。行くわよ」

「はい」「はーい」

 私はディーネとファビオに目で合図すると、立ち上がりコレットとモンモランシ伯の後を追った。余談だが、モンモランシ伯の背中には哀愁が漂っていた。

 館の奥の部屋に案内されて、テーブルの奥側正面にモンモランシ伯が座り、右側にコレット、左側にモンモランシーが腰かけた。私は手前側正面に座り、ディーネに左手に座ってもらいファビオに右後ろに立ってもらった。

 ここからは友人とその家族としてでなく、交渉相手として接しなければいけない。思考を切り替え、口を開いた。

「場を設けていただき、ありがとうございます」

「うむ。それで要件とは何だ?」

 私が定型通りの挨拶をすると、モンモランシー伯が頷いた。ここまで来れば、後は用件を言うだけである。ディーネに向けて、視線を送ると頷いてくれた。

「先ずはこちらの品をご覧ください」

 私の言葉を合図にして、ディーネがオルゴールと指輪をテーブルの上に置いた。それを見たモンモランシ伯は、目を見開き思わずと言った感じて立ち上がった。

「そ そのオルゴールと指輪は、何処で……」

「私の実の母の……形見です」

「…………カタ……ミ?」

 モンモランシ伯は、あまりの事態に固まってしまう。コレットは一瞬だけ目を見開き、俯いてしまった。モンモランシーだけは、訳が分からないと言った様子だ。ディーネもこれ以上は言葉にしたく無いのだろう。黙ってしまった。この状況で、説明を引き継いだ
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