暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第29話 母上が交渉?本当に大丈夫?
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「はい。必要です」

「ディーネ。そこは同意して欲しくないのだけど……」

「却下です」

 次弾以降も上手くかわしながら、壊れた扉から逃げ出します。……と言っても、母上相手に逃げ切れる訳なんですけどね。ましてや、今回はディーネ&アナスタシア付きです。

 結局、1時間持たずにボコボコにされました。何気に一番容赦が無かったのは、アナスタシアでした。子供って、こう言う時加減出来ないですよね。……涙が出そうです。



 次の日の朝に、私はもう一度3人を集めました。

「……何かしら?」

 母上が不機嫌な表情で私に聞いて来ました。

「コレについてです」

 私は道具袋から“水の精霊の涙”を取り出して、執務室のテーブルの上に置きます。巨大な二つの瓶に入ったそれは、すべて売り払えば、どんなに安くても100万エキューは下らないでしょう。

「この“水の精霊の涙”は、売却すれば大金が手に入ります。しかし、信用のおける者にしか売り渡す事は出来ません。人の心を縛る秘薬が、裏市場に大量に流れる事になるからです」

 母上が頷くのを確認してから、私は続きを言います。

「そこで、モンモランシ伯に“水の精霊の涙”を使った秘薬の製造販売を、お願いしようと思います。モンモランシ伯なら信用出来ますし、秘薬の調合も可能で販売ルートも既に持っています。ドリュアス家にとって、これ以上の相手は居ないでしょう」

「そうね。その意見には私も賛成だわ」

 母上からは同意をとれました。ディーネとアナスタシアも、口こそはさみませんが頷いています。

「秘薬の儲けは“水の精霊の涙”の分を含め、半分ほどモンモランシ伯に渡そうと思います」

「えっ? そんなに?」

「流石に渡し過ぎではありませんか?」

 ここでアナスタシアとディーネが、思わずと言った風に声を出しました。しかし母上は、私の狙いを正確に見抜いていた様です。

「モンモランシ家の早期復興と関係強化が狙いね」

「はい。モンモランシ家の復興と協力は、開拓に大きな助けとなります。それに、元々危険過ぎて廃棄も考えていた物です。信用出来るなら、只同然で渡してしまっても良いと考えていました」

「流石にそれは極論だけど、間違いじゃないわ」

 母上はそう言いながら、ディーネの方に視線を移し続けます。

「でも、金銭だけの繋がりではいまいち不安ね」

 母上の所作からすると、ディーネが拒否しなければ賛成の様です。

「はい。そこでモンモランシ伯に、ディーネの出自を話そうと思います」

「えっ!?」

 ディーネが明らかに動揺しています。

「もちろん。ディーネが了承すればの話ですが……」

 私の言葉に、ディーネは俯いてし
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