デュエルペット☆ピース! 第4話「SIN」(後編)
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かぁっ……!」
闇アズ
『辛いですよね? 苦しいですよね? 赦されたいですよね? 愛されたいですよね?』
半狂乱になって、アズはがくがくと首を縦に振り、もう一人の自分の言葉を全て肯定していった。
闇アズ
『だから……わたしが助けてあげますよ?』
アズ
「ほ、ほんとう……ですか?」
闇アズ
『もちろん。だって、わたしはこの世でたった一人の、「もう一人のアズ」なんだから。誰よりもあなたを愛してる。わたしだけが、あなたを赦してあげられる……』
少女の頬を流れ落ちる涙を、もう一人の少女が唇を這わせて拭い取る。涙と一緒に罪まで拭われるような気さえして、アズは恍惚に浸る。少女の瞳から意思の光が失せ、全身から生命力が失われていく。
アズ
「ぁ……ゆるして……もら、え……るの……?」
闇アズ
『そう……さぁ、わたしにすべてを委ねて……? そうすれば、わたしの中で、赦してあげる、ずっとずっと、愛してあげますから……』
アズ
「は……い……」
とうとう、アズが「アズ」を放棄する決定的な言葉が漏れ出してしまう。同時にアズのディスクに埋め込まれた宝玉が輝きを失い、闇アズサのディスクの宝玉が代わりに光を発した。ターンプレイヤーを示すディスクの光が移り変わった―――それはすなわち、アズのターンが強制終了し、闇アズサのターンへ移行したことを示す。アズがプレイしないまま3分間が経過したことで、ターン進行放棄とみなされてしまったのだ。
・闇アズサ(手札4 LP:3950)
《デュエルナイト・セイバー》ATK:2500・★4・ORU×2
《憑依装着―ダルク》ATK:1850・☆4
・アズサ(手札4 LP:4000)
《憑依装着―ライナ》ATK:1850・☆4
<ターン5>
もう一人のアズが、抱擁を解いて、アズから離れる。アズはすがるように闇アズサに手を伸ばしたが、黒のアズは女神のような微笑を携えたまま、その手を払いのけた。
闇アズ
『わたしの……ターン!』
DRAW!
・闇アズサ 手札:4→5
闇アズ
『さぁ……救済の刻です。ちょうど、来てくれましたよ。あなたに赦しをもたらしてくれる、断罪のカードが……』
闇アズサが、ドローしたばかりのカードを天に掲げる。その途端、アズのはるか後方、元々のデュエルフィールドにたたずむ魔剣士に異変が起きた。剣たる少女が手にした大剣を取り落とし、頭を抱えて苦しみだす。かつての主同様の赤と白の洋装が、次第に黒く染まり、地に刺さった大剣も闇色に染まって、周囲を浮遊していたORUは剣に吸収されて消失し、刀身はノコギリのような禍々しい凹凸を持つ異形へと変貌していく。
黒に染まりきった魔剣士が、変貌した剣を手に取り、肩に担ぐ。顔を上げた剣たる少女は、瞳
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