デュエルペット☆ピース! 第4話「SIN」(後編)
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上目使いの少女を前に、「アズ」を知ってしまった少年が、抵抗できるわけもなく。
「わ、かった……えっと……」
少女の顔がぱっと輝き、少年の眼を見て、今か今かと急かす。もはや、引き下がれないところまで来ていた。
「……アズ」
「……! あ、あの、もう一回お願いできますか?」
「……アズ……」
「も、もう一回……!」
「アズ……! ってもういいだろ!」
「そういわず、もう一回だけ……!」
お互い顔を真っ赤に染めながら、少年と少女の奇妙なやり取りは、帰途の間延々と繰り返されるのであった。
<第4話・了>
■ あとがき 〜あとのわるあがき〜
なんて遊戯王らしいサブタイトルなんだ! ただ【SIN】はハイビートすぎてどうしても扱いきれない……。
元々は二話構成のお話を、どこで区切ったらいいのかわからず、とうとう一話三分割になってしまった。
生命の危機→貞操の危機→リップドローときて、次は何か。これはもうメンチサイド(精神破壊)しかなかろう! と確信したのが、やはり運のつき。アズちゃんの。
とはいえ、メンチサイドというにはちょっと責めがヌルい気もするし、委員長が到着してすぐ立ち直ったし、右腕折った時の方が痛そうだったし、まあ、今回はR指定要らないような気もする。
とか思ってたら、カードゲームと何の関係もないリアル殺人を書いていた件。やっぱR-15は毎回つけよう。
<ストーリー的なお話>
今回は主人公の闇人格(別人格ではなく、別人だけど)登場と、遊戯王をタネに創作をするなら、一度はやってみたいシチュエーションである。どう料理するか迷うところだったが、「色以外はほぼアズと同じ+アズをメンチサイドするために必要な、適度のSっ気」という造形に落ち着いた。これまでのデュエルピースに憑依された者は、はっちゃけキャラクターばかりだったために、おとなしめの印象になっているかもしれない。
闇人格登場と双璧をなす今回の核、アズの過去。実は、この経緯、私の処女作を下敷きにしている。処女作はまだ遊戯王もジュエルペットも知らないころ書いたもの。第一話のアズを書いていて、今までの私の創作に通底していたヒロイン要素を集約させることを思いつき、処女作のヒロインの一種のリボーンキャラクターという形で、このような過去を持たせた。といっても、全く同じものを書いたわけではない。処女作のヒロインは、思春期最中で少々ひねくれており、「父に虐待を受け、母に庇ってもらいながら、父も母もうまく愛せない」という造形であった。これに対して「いい子」であるアズは、逆に「父に虐待を受け、母に庇われながら父も母も憎まない」という逆ベクトルの造形へ進んだ。
心理描写が面倒で結構端折
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