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デュエルペット☆ピース!
デュエルペット☆ピース! 第4話「SIN」(中編)
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光球と化し、闇アズサの右掌の中に収まった。光球をまとわせる右手で、残る一枚の手札を掴み取り、天に向けて掲げ、乙女が祈る。

闇アズ
『かつてのわたしよ……生まれ変わる「アズ」に、力を……貸して!』

 黒き乙女の手からカードが離れ、飛翔し、天頂に上り詰めたところで肥大化して、漆黒の球体へと姿を変える。その周囲を、闇色のORUが4つ周回し、稲光を走らせた。

闇アズ
『おいでなさい……《DP. 05 翡翠の悪夢を語る姫》(デュエルピース・ファイブ ジェイドメア・ザ・シャアラ)!!』

 主たる漆黒の球に、周囲を旋回する4つのORU、合計して5つの黒球の中央から、悪夢をつかさどる異形の姫君が姿を現す。夜天に広げる漆黒の翼、大地に突き刺さらんとする長き漆黒の尾、この世のものとは思えぬ美術品のような麗しい顔立ちに、悪魔と見紛うばかりの牙の生えたつ口元から白い息を吐き、そして漆黒の中に映える二つの翡翠の瞳。右腕に分厚い書物を携え、高く掲げた左手の上に、巨大な翡翠の球を乗せている。

SPECIAL SUMMON!
《DP. 05 翡翠の悪夢を語る姫》ATK:3000・☆10・ORU×4

委員長
『あれが……デュエルピース……』

 委員長が光臨した異形の女神を前に、ようやくそれだけ言った。

闇アズ
『さあ、始めましょう……「アズ」と「アズ」の聖なるゲームを!』

 闇アズサの宣言とともに、異形の姫君が手にした書物と翡翠の塊とを投げ捨て、アズへ向けて急降下する。白獅子もアズも反応する間もなく、姫君の長い腕がアズをとらえ、持ち上げる。アズの足が地から離れ、姫君の懐に抱き抱えられる。
 姫君に四肢を絡められて身動きが取れないアズのもとへ、闇アズサが歩み寄る。

闇アズ
『わたしが……「アズ」……そしてわたしの「アズ」……』
アズ
「っ……! やめて……はなしてっ……んむぅ……んっ」

 闇アズサがアズの頬に手を添え―――引き寄せて、唇を重ねた。舌を吸引する粘着質な音が鳴り、触れ合う唇から、黒い魔力があふれ出して、二人のアズと異形の姫君を包み込んでいく。
 グラナイトがアズを助け出そうと空中を駆けたが、同時に黒の魔力に弾き飛ばされ、はるか後方の委員長の足元まで吹き飛んだ。すぐさま、委員長が白獅子を抱き上げる。

委員長
「おい似非ライオン! しっかりしろ!」
ナイト
『ぐっ……大丈夫だ……それより、アズは……!』

 委員長がフィールドに目を移すと―――そこにはもう、姫君も「アズ」もなく、それらすべてを包み飲み込んでしまった、巨大な黒い球体しか存在していなかった。

委員長
「飲み込まれた……のか?」
ナイト
『そんな……アズっ! 返事をしろ、アズーっ!』

 白獅子の叫びも、夜の
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