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デュエルペット☆ピース!
デュエルペット☆ピース! 第4話「SIN」(前編)
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すね。素敵です』
「偽物に言われても嬉しくもなんともない。それより、念願のコピーに成功して、お前はこの後どうするつもりなんだ」
『それはもちろん。デュエルピースを回収するんですよ。もう一人のわたしを倒して。そうすれば、「アズ」はわたしだけ……』
「ずいぶん小鳥遊さんにこだわるな。なぜそれほど「アズ」に執着するんだ」

―――だって、「アズ」は愛されたくて……愛されているから。数は少なくても、深く、深く、深い愛。それが……ほしい。

 闇アズサの声が揺らぎ、一瞬目を伏せ、すぐに顔を上げて柔和な微笑みを引き戻す。

『だから、もう一人のわたし。デュエルを……あなたのデュエルピースを全部もらいます』
「言われるまでも……ありません。ナイト、大丈夫ですか?」
『ああ。視力もだいぶ戻った。支障はない! 行くぞ!』
『「デュエルモード・セイバーフォーム!!」』

 本物のアズには、常に傍らに獅子がいて、声を合わせてくれる。アズの身体が光に包まれ、髪の毛は桃色に染まり、白と朱の装いが現れる。マントが身体全体をふわりと包み込み、左腕には銀のディスクが顕現する。

「そう簡単に、アズサの名前を差し上げることはできません!」
『そうだ! 私のパートナーはこの子だけ! お前など願い下げだ!』
『心配要りません。もうすぐ、「アズ」はわたし一人になりますから』
「委員長さん、下がってください!」
「……わかった。負けるなよ……!」

 委員長が背後に回ったのを確認し、闇アズサと向かい合う。自分の存在を揺るがし、取って代わろうとする相手に、ありったけの闘争心をむき出しにして対抗する。普段の彼女らしからぬ戦い方かもしれないが、なりふり構っていられない、言い知れぬ緊迫感がアズをとらえて離さない。
 対面する闇アズサは、どこまでも「アズ」らしく、優しげな表情を崩さなかった。

『「デュエル!!」』

 戦いの開始を告げる宣言は、全く同じ声であるがゆえに、重なり合っていながら、独唱のようにも聞こえた。


                  【決闘開始 小鳥遊アズサvs闇アズサ】


                        <中編へ続く>
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