デュエルペット☆ピース! 第3話「英雄超克」(後編)
[4/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
腕をガーネアイズの両腕が捕らえ、ひじ関節を禍々しい悪魔の手が鷲づかみにする。
ナイト
『やめろっ! アズを放せっ!』
パートナーの危機に、白獅子が浮遊術を解いてガーネアイズの背後から飛びかかる。だが、アンチヒーローは予想通りといわんばかりに、白獅子の方を見もせず、長い尾で空中の獅子を払い落とす。
ナイト
『ぐわっ!』
白獅子があっけなく吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
ガーネアイズ
『さてェ……これでフィニッシュだ! 敗北の味をあの世でかみしめな! デュエリストには最悪の形で料理してあげるからねェ!』
アズ
「ぅ……ぁ……?」
処刑の宣告がなされると同時に、右ひじが超常の握力によって圧迫される。アンチヒーローの意図が瞬間的に理解されて、半濁していたアズの意識が覚醒する―――が、腹部に立て続けに痛打を受けて、内臓を傷つけられた今の彼女の力では抵抗もままならず、恐怖に顔を青くする事しかできない。
ガーネアイズ
『腕をバッキリやられちまうってのは……デュエリストにとっては悪夢だろうねェ!』
アズ
「ぃぁ……やめてぇっ……」
哀願もむなしく、アンチヒーローの握力が一気に強められ―――
―――ぼきぃぃっ!
骨の砕ける鈍い音とともに、怪力がアズの関節を握りつぶした。関節がありえない方向へ曲がり、一瞬後に、折れかけの枯れ枝のように重力に引かれて垂れ下がる。
アズ
「いぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛ぁァーーーっ!」
関節の骨を粉々に破壊された激痛に、全身を痙攣させて獣じみた悲鳴を上げるアズ。ガーネアイズは満足げな表情で、アズを押さえつける腕を解き放つ。支えを失ったアズはそのままうつ伏せに倒れ込み、折れた右腕が地面に横たわる。動けないアズの背中から、悪魔のようなヒーローの尾が迫っていた。尾の先端には、彼女のしもべを貫いた鋭利な鉄器がぎらりと月明かりを照り返す。
ガーネアイズ
『デュエル……終了ッ!』
―――ずしゅぅっっっ!
マントを突き破ってアズの背中の中央に尾が突き刺さり、胸から貫通した先端が飛び出る。
アズ
「あ゛っ、あ゛っ!」
短く濁った悲鳴と同時に、口腔と背中の傷から鮮血が勢いよく吹き出し、びくっ、びくんっ、とアズの身体が大きく二度跳ね―――そのまま動かなくなった。
ガーネアイズがアズの身体を貫通している尾を無造作に引き抜く。なおも吹き出す血しぶきが、アンチヒーローの体を染め、あざやかに彩る。
ガーネアイズ
『あらら……ちっとやりすぎたか。ま、ライフゼロと同時に昇天ってのはいい死に方かもねェ』
ガーネット
『何言ってんのよ。相変わらず悪趣味ね』
不意に背後から響いた聞き覚えのある声に、デュエルピースは振り返る
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ