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デュエルペット☆ピース!
デュエルペット☆ピース! 第3話「英雄超克」(後編)
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ごめんなさい」

 アズはぺこりと頭を下げる。顔を上げたアズの瞳は閉じられていた。

「その、少しだけ……聞いてください。衛士先生を……斬ったのは……わたしです」
「ぁ……ッ!?」

 ナナコの顔が驚愕に染まった。アズはそれでも続ける。

「先生もさっきまでの諸星さんみたいに、デュエルピースに憑りつかれていて……わたし、先生は悪くないのに……頭に血が上って、手加減なしに攻撃して……それで……」

 言葉の端が震える。もうそれ以上の句は必要なかった。

「今日は……ガーネットがいたから偶然うまくいったけど、これからもそうとは限らないから……だから……わたしには、もう近づかないほうがいいと、思い、ます」

 震えながらやっと紡いだアズのその言葉に、白獅子は黙ってうつむき、ガーネットは治癒術に集中しながらも、目をひそめた。

「あと……あと……今日はほんとにうれしかった……一緒に遊んでくれて……わたし、救われました。諸星さんが無事で……ほんとによかっ、た……」

 ぽろぽろと涙をこぼしながら、めいっぱいの笑顔をナナコに向ける。
 ナナコは、唇をかみしめ、ぎゅっと拳を握りしめて、すぐにそれをほどくと―――ふわりとアズの頭を自分の胸の中に包み込み、抱きしめた。

「諸星さん……?」
「あたし、全部覚えてるよ。あんたがあたしのこと、必死になって助けてくれたの」

 ナナコの瞳にも、涙が浮かんでいた。

「それにあたし、あんたにあんな酷いこと……しちゃって……」
「そんな……そんなのっ」
「あたしのほうこそ、本当にごめん……許して、なんていう資格ない、けど……」

 ナナコの声も震えてきている。アズは左腕をしっかりとナナコの背中に回して、精一杯抱擁に応える。

「衛士のヤツのことなんか関係ねぇよ……あたし、あんたと友達でいたい。だから、近づくななんて……いわないでよぉ……」
「諸星さん……ありがと……ほん、とにっ……ありがとう……」

 そこから先は、二人とも言葉にならなかった。少女たちの嗚咽だけが、夜の空に溶けて消えていく。それを二頭のペットが、微笑みをたたえて見守っていた。
 涙で顔を濡らしながら、こんなにも幸せな涙がこの世界に存在したのかと、アズは思った。


                        <第3話・了>

■ あとがき 〜あとのわるあがき〜
 もうR-15タグはデフォにしようかと思う今日この頃。リョナタグもいる? 3月に入ってすこし暇ができたので、ちょっと頑張って書こうと思ったらこれだよ……。

<ストーリー的なお話>
 今回デュエル中盤を書いているときに、突然郷愁の念に襲われた。何かと思って記憶の糸をたどっていくと、ある有名な台詞にたどり着いた。


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