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デュエルペット☆ピース!
デュエルペット☆ピース! 第3話「英雄超克」(後編)
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、グラナイトの瞳に吸い込まれて消失する。

ナイト
『よし、これで回収完了だ。ガーネット、協力感謝します』
アズ
「あの……これって、後はどうすれば?」
ガーネット
『どうするも、これであの子はフィールド魔法一枚でモンスターなし、手札もゼロでターンエンド。残りライフ2400で、次のあなたのターン、デュエルナイト・セイバーの4300ダイレクトアタック、終了。アズちゃんの勝ちね』
アズ
「えっ!? それじゃ諸星さんがダメージを受けてしまうんじゃ」
ガーネット
『でも、一度始めたデュエルを終えるには決着をつけるしかないし……デュエルで勝てば、折れた腕も胸の傷も、ダメージは全部あの子に押し付られるから、すぐ直るわよ?』
アズ
「ガーネットさん! なんてことを!」
ガーネット
『冗談よ。あと、デュエルを終わらせるには……そうだ、サレンダーする?』
アズ
「されん……?」
ナイト
『サレンダー、つまり降参だ。敗北を認めて自分のライフを0にする……だがそれは、アズの負けになってしまう。君の傷はそのまま回復しないし、あの子がこのデュエルで受けた1600ポイントのダメージもすべて君が負うことになるが……』
アズ
「わかりました。それで行きましょう」
ガーネット
『ちょっとは悩みなさいよ。ったく、ホント救えないわね』
アズ
「それでも、諸星さんを傷つけてしまうより……ずっといいですから」

 アズが晴々した笑顔になり、降伏の意思を念じる。敗者の少女は女神のごとく柔らかに微笑み、勝者である少女はいまだ気を失って倒れている。勝者と敗者を分かつというゲームの本質から見れば、あまりに奇異な光景であったが、それがアズの選んだ決着であった。

・アズ LP:50→0(−50)

                【決闘終了 勝者:諸星ナナコ(サレンダー)】

 デュエルフォームが解除されるとともに、アズの身体を急激な脱力感が襲う。集中的な治癒術によって止血されていた胸の傷がうずき、服の胸部にみるみる赤い染みができた。
 思わず膝をつくアズだったが、それと同時に浮遊していたグラナイトから突然魔力が失せ、落下して地面に落ちた。

「な……ナイト……!?」
『……大丈夫だ……!』

 白獅子がゆっくりと起き上がる。白い毛並みはぼろぼろにほつれ、砂ぼこりに汚れて灰色に染まっていた。獅子の表情には、はっきりと疲労と苦痛が浮かんでいるが、それでも二足で立ち上がる。

『デュエルペットはパートナーのデュエリストが敗北した時、その身に受けるダメージを分かち合うことができる……この先、君がデュエルで傷つくことがあっても、私がその傷を治し、痛みはこの身に半分引き受ける……!』
「ナイト……でもそれじゃあなたが……」
『これまで
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