デュエルペット☆ピース! 第2話 「聖職」(後編)
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シーズ召喚!」
僧と聖獣が、黒と白の光球へと変化し、フィールド上に光の渦を巻き始める。回転力が頂点に達した瞬間二つの光球が衝突して、渦の中心から光球をはべらす大剣が飛び出し、アズの両手に収まった。
衛士
『エクシーズ……ですとぉっ!?』
アズ
「おいでなさい! わたしの剣たる少女! 《デュエルナイト・セイバー》!」
アズが天へ向けて力いっぱい剣を投げ上げる。どこからともなく疾風のように駆け、主の剣を受け取る少女剣士が一人。着地の音は、剣の重量を感じさせないほど静穏に。口元を隠すマフラーと長い銀色の髪とを翼のようにはためかせ、鎖帷子で覆われた体をさらに洋装で包み込んだ、美しき魔剣士の姿がそこにあった。
《デュエルナイト・セイバー》ATK:2500・★4・ORU×2
ナイト
(やはり……このモンスター・エクシーズはまるでアズそのもの……アズの力の象徴ということか……)
白獅子の考察通り、主としもべは良く似ていた。一方は可憐を、他方は苛烈をまといながら、そして、姉妹ほどの身体差がありながらも、その魂は複写されたかのように、近い。そして、本質的な部分で共通しているという相互の確信が、なによりデュエリストとモンスター・エクシーズの間に生まれている。
アズ
「これで終わらせます! 最後の魔法、《鬼神の連撃》を発動! このカードはモンスター・エクシーズのORUを全て取り除き、このターンのバトルフェイズで2回連続攻撃を可能にする!」
カードから放たれた魔力が、魔剣士の掲げた大剣に集中する。剣の周囲を浮遊する光球、ORUが剣に取り込まれ、刀身に、縦一直線の光の筋が走る。魔剣士はその光の筋を目安に、大剣を左右に思いきり引き裂いた。断裂した剣は、すぐさま形状を変化させ、二振りの長剣となって魔剣士の両手に収まる。
《デュエルナイト・セイバー》ATK:2500・★4・ORU×2→0
ナイト
『剣が二刀に……!』
アズ
「バトルフェイズへ以降! 《薄幸の美少女》でデュエルピースを攻撃!」
魔剣士の登場ですっかり隅に追いやられていた薄幸の美少女が、怒りに燃える主を想うがゆえにか、悲しげな表情でフィールドの中央へ歩み出る。彼女は攻撃力を持っていない以上、主の攻撃宣言に反して、自分から仕掛けることはできない。攻撃宣言というルールと現実の非力の矛盾を解決するために、美少女の魔力が高まり、炸裂した。その残滓が、四方八方から衛士へと向かい、教師の体内に注ぎ込まれる。
衛士
『こ、これは……体が……勝手に?』
衛士は、指輪を嵌めた両腕を前方に突き出した姿勢のまま、ゆっくりとアズのフィールドへ向けて前進してくる。言葉通り、彼の意思ではない。薄幸の美少女の魔力に、神経系を侵食された結果として、脚が
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