デュエルペット☆ピース! 第2話 「聖職」(後編)
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姿。だが、一方でアズの網膜がそれを捉えた時に、彼女の中に生じた感情は、朝とは違って恐怖だけではなかった。最初に湧き出た恐怖を押しのけるほど、怒りが湧き出てきたのである。今この場においては、両者が加害と被害の関係になく、対等なデュエリスト同士であるがゆえの、怒りの感情。アズは立ち上がり、奥歯を噛みしめ、敵を見据える。
アズ
「先生……あなたという人は……!」
衛士
『ほう……いけませんよ、そんな怖い顔をしては。先生ェの肉体になるときは、もっと可憐な表情でないと……』
アズ
「あなたは……今朝わたしを触ったとき、左手を使ったのですか……!」
衛士
『ええ? おかげであなたを満足させるには至りませんでした。それが何か?』
アズ
「婚約指輪を嵌めたその手でっ……奥様がいらっしゃるのでしょう!?」
衛士
『もちろん、左の指輪はその証拠です。妻どころか、子供もいますよ!』
アズ
「っ……!」
昨日は生存本能だけで戦っていた少女が、今はそれと違う理由からの戦意をあらわにしているのに、隣で湯有する獅子、ナイトは驚いていた。
ナイト
『アズ……どうした?』
アズ
「わたしは、どうしても……許せないんです。あの方の奥様とお子さん……神聖な誓いの証の指輪を……それをあの人は!」
ナイト
『だが……奴はデュエルピースに精神を乗っ取られてああなったんだ。レヴォル・リングおそらく取りつかれる前は、普通の教師だったはず……』
アズ
「それでも……それでも許せません!」
・衛士(手札4 LP:4000)
《DP. 02 紫水晶の革命指輪》ATK:0・☆10・ORU×7
・アズサ(手札4 LP:1850)
《薄幸の美少女》ATK:0・☆1
<ターン6 アズサ>
アズ
「わたしのターン!」
デッキから引き抜いたカードを確認した瞬間、アズの頭にひらめくものがあった。攻撃力の正負を反転させる効果と、攻撃力0のモンスター。この二つの要素の内一つを崩せば、デュエルピースの聖圧力は格段に弱まる。ならば、いずれを崩すか。答えは、既にドローが導いていた。
アズ
「わたしは《召喚僧 サモンプリースト》を召喚!」
《召喚僧 サモンプリースト》DEF:1600・☆4
アズ
「さらに手札の魔法1枚を捨てて、サモンプリーストの効果を発動します!」
ナイト
『あ、アズ、そのカードは!』
アズ
「……大丈夫です。昨日とは……違う!」
アズが召喚僧のコストとして手札から捨てたのは《決闘夜の終曲》、すなわち昨日のデュエルで彼女の勝利を決定づけたカードである。それを、今回はためらいもなく捨ててしまったことに、白獅子は内心驚愕していた。
ナイト
(初心者が一つの勝ち筋にこだわりすぎて柔軟
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