デュエルペット☆ピース! 第2話 「聖職」(後編)
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(守備モンスターが効果の穴となるなら、それを補う表示形式変更カードを使用してくることは予想できたはず……また私の失策……!)
衛士
『さぁ! これでモンスターが攻撃表示となれば、無敵のレヴォル・リングの攻撃で撃破でぇす!』
昨日、モンスターを攻撃表示に変えられ、窮地に陥ったアズ。今また同じ状況におかれた彼女の瞳は―――しかし、恐怖に満たされていた昨日とは全く違う感情を宿している。少しだけの恐怖と、それでも衰えない、闘志の炎。
アズ
「……それはどうでしょう」
衛士
『な、なんですかぁ!?』
アズ
「わたしの伏せモンスターはこのカード……これで……もうレヴォル・リングは無敵ではなくなりました!」
裏守備モンスター→《薄幸の美少女》ATK:0・☆1
ぼろぼろの衣に籠を提げた、やつれ気の少女がフィールドに立つ。いかなるモンスターを倒すこともできない通常時の無力さが、今この場では、紫水晶の効力によって反転し、稲妻となって少女の周囲の空間をのたうつ。
衛士
『これは……攻撃力0!』
アズ
「これで先生のレヴォル・リングと同じく、わたしのモンスターも事実上攻撃力は無限です!」
ナイト
『い、いいぞアズ! 攻撃力0同士のモンスターでは戦闘ダメージが発生せず、互いのモンスターは破壊されない。これでむしろ守りは盤石だ!』
衛士
『ぬぅっ! た、ターンエンドです! 攻撃力0のモンスターを立ててくるとは……なかなかの奇策でしたが、それもレヴォル・リングによるダメージを封じただけ! デュエルピース以外のモンスターを召喚できれば簡単にであなたを倒せますよぉ!』
アズ
「っ……!」
言われるまでもなかった。攻撃力0の《薄幸の美少女》を攻撃表示のまま棒立ちにさせている現状、衛士がレヴォル・リング以外のモンスター、すなわち攻撃力を持つモンスターを召喚した場合、美少女は、破壊されないがダメージをそのままアズへ通す格好の的になってしまう。かといって守備表示にしても、低守備力の《薄幸の美少女》では、攻撃で簡単に撃破され、レヴォル・リングへの対応策をみすみす失うことになる。これは衛士が他のモンスターを引き当てるまでの時間稼ぎにしかならない。つまり袋小路だった。
衛士
『さあて……一体どうやって愉しみましょうかねぇ……でもまずは、朝のシチュエーションの続きでしょう。そのデュエルフォームのままでもう一度電車に乗っていただくというのは……一興ですねぇ。そうしたら、今朝は左手でしたから……今度は右手で、この指輪の魔力を注ぎ込んであげますよぉ……きっと天国が見えます……くく……あひゃぁぁぁ!』
衛士は自身の圧倒的優位を実感し、紫に染まった瞳をさらに濁らせ、いびつに口元を歪めた。電車内でアズに欲望を向けた時そのままの
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