デュエルペット☆ピース! 第1話「転校生ふたり」(後編)
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この子は、デュエルピースを狩る者として凄まじい力を隠しているのかもしれない……!)
アズ
「デュエルナイト・セイバーの攻撃力は現在3500……よって、3500のダメージを受けてもらいますっ!」
ツキ
『そんにゃぁ……ばかなァァァッ!!』
魔剣士が、女学生へ向けて水平に剣を構える。剣の先端に稲妻のエネルギーが球体として収束し、はち切れんばかりに肥大化する!
アズ
「撃て! デュエルナイト―――フィナーレっ!」
主の命とともに魔剣士が力を解き放つ! 発射された雷球が、女学生に着弾し、その狂気と、願いと、生命をがりがりと削りとり、粉砕する!
ツキ
『うぐぅぎゃァァァっ―――! ともらち、デキナ―――いイィィィ―――!!』
―――ごおぉぉぉん!!
限界を超えた女学生の身体が、爆発した。
・ツキノ LP:3500→0(−3500)
【決闘終了 勝者:小鳥遊アズサ】
跡形もなくなった女学生の代わりに、一枚のカードがはらはらと舞い、女学生の立っていた場所に落ちた。デュエルピース6、朝の町に凄惨な光景を作り上げた、悪夢の白竜である。
『今だ! デュエルピース6よ! 我が女神のもとへ戻ってもらうぞ!』
白獅子がカードに駆け寄り、手をかざす。カードが光の粒子となって、獅子の宝石の瞳に吸収され、消失した。
「あ……これで、終わったんですか?」
『ああ! 君のおかげでデュエルピースの暴走を止めることができた。礼を言おう!』
「よかった……たす、かったぁ……」
安堵した途端、少女の全身から力が抜け、アスファルトの上に倒れ込む。同時にぼろぼろになっていたデュエルフォームが消失し、少女は元の真新しい制服に身を包む姿へ戻っていた。
『おい! 大丈夫か!』
白獅子が慌てて駆けより、少女の顔を覗き込む。気を失ってはいるが、きちんと息をしていることを確認して、獅子は胸をなでおろした。
(目立った外傷は消えている……まあ当然か。デュエルに勝利したことで、デュエル中に受けた彼女のダメージは全て相手に降りかかることになった。二人分合計で7700ポイントものダメージを受ければ跡形もなく消え去るのも道理だが―――この子が無事で本当に良かった)
安堵する白獅子の耳に、遠くからけたたましいサイレンの音が聞こえてくる。獅子は人間世界の知識は一通り身に着けていたので、その音の正体がこの国の捜査機関の専用車によって発せられていることに思い当った。
白獅子はもう一度少女の安らかな顔に目をやり、誰にとなく微笑みを見せると、その場を去った。
* * *
コ
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