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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第28話 初めての泥棒?水精霊はまたやった
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す。痛い。

「王と精霊の会合の後、リッシュモンが大急ぎで出て行ったのはその所為か。まさかとは思うが、リッシュモン邸に火を放ったのは……」

 私は首を左右に振りました。

「実は、温度感知が出来る火のメイジ見つかってしまいました。火のメイジの攻撃を避けている内に、何時の間にか館が大変な事に……」

「警備の人間の自爆か?」

「はい。……それから、その火のメイジの名前は《白炎》のメンヌヴィルです。元魔法研究所(アカデミー)実験小隊の副長でダングルテールの虐殺に参加したメイジの一人です。快楽殺人者で、ダングルテールにて隊長を殺害しようとし、失敗して軍を脱走しています。リッシュモンはその経歴を知っていて、メンヌヴィルを雇っていました。内容は分かりませんが、何か特別な任務をやらせようとしていた様です。……それからおそらく私は、メンヌヴィルに体温を覚えられました。幸いそれ以外の人間には見られていませんので、メンヌヴィルが無差別に暴れていたようにしか見えなかったでしょう」

 父上は私の話を聞いて、深いため息を吐きました。

「メンヌヴィルについては、私の方でも調べておく。もう二度とこのような無茶はしてくれるなよ」

「はい。それからリッシュモン邸から、20万エキューほど貰って来たのですが……」

 ゴン!!

 また拳骨を貰いました。せめて最後まで話を聞いてほしいです。この夜は延々とお説教を聞かせられました。



 後日父上から、私の行動でどのような影響があったか聞かされました。

 メンヌヴィルは、独力で逃走したそうです。発見された痕跡から行先はゲルマニアの様です。リッシュモンの隠蔽工作の所為で、手配が遅れに遅れ確保は難しいそうです。

 リッシュモンの金銭的被害は、総資産に比べれば微々たるものですが、かなり痛い額だったようです。そして今回の一件で、ペドロとの関係に亀裂を作る事が出来ました。また、軍を脱走していたメンヌヴィルを雇っていた事が発覚し、部下の数々の失言、金銭の滞納(財産を運び出したのが裏目に出た)等、多くの信用を失った様です。これが原因で高等法院内では、数々の派閥が出来てしまい、リッシュモンはその対応に追われる事になったのです。






 決して油断は出来ませんが、この様子なら領内の仕事に集中出来そうですね。
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