暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第28話 初めての泥棒?水精霊はまたやった
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金庫の広さは、尋常ではありませんでした。高さは2メイル半位で低いですが、幅が10メイル奥行きが25メイル位あります。如何考えても、個人が所有する大きさの金庫ではありません。しかし中はスカスカで、殆ど何もありませんでした。
唯一残っていたのは、奥の方に積まれた大きな箱でした。《探知》で罠等が無い事を確認して、箱を開けてみます。中にはエキュー金貨が、ぎっしりと詰まっていました。《探知》で確認すると、一箱に5千エキューほど入っている様です。数を数えると、40箱ありました。
(これが20万エキューか)
私は中身を全て、精霊から貰った道具袋に収めました。これだけで、かなりの時間が掛りました。《浮遊》が無ければ、それこそ1日では終わらなかったでしょう。
(速くしないと、メンヌヴィルが戻って来るかもしれませんね)
私は箱を閉じて、元の位置に並べると金庫のカギを閉め、執務室に戻りました。金庫の鍵も元に戻すと、執務室から慎重に出ます。
何人か使用人をやり過ごし、後少しと言う所で男の馬鹿笑いが響きました。
(この声は!? メンヌヴィルの部下の声だ!!)
私は焦りその場から離れようとしましたが、既に遅かった様です。
「そこの角の先に居る奴。お前は始めて見る体温だな」
(見つかった!!)
私は姿を見せる訳にはいかないので、その場から全力で逃げ出しました。
「逃げるって事は、侵入者だな」
(不味い。不味い。不味い。不味い。不味い。如何する? 如何逃げる!?)
「は、はは! ははははははははははははははははははッ! 待ちに待った侵入者だ。ようやく、生き物が焼ける臭いを嗅げる」
私は本能に従って、廊下を真直ぐ逃げました。
「隊長。何にも居ませんぜ」
「何!? 貴様らには見えんのか!? 面白い!! 見えない人間の子供が、焼ける臭いを嗅ぎたい!! 嗅ぎたいぞ!! オレは!! うわは!! うは!! はははははははははははは!!」
(こわ!! 怖い!! 怖い!! 何この変態!!)
インビジブルマントのおかげでメンヌヴィル以外の者には、まだ私の事を知覚出来ていない様です。(この隙に……)と思った瞬間、背筋に悪寒が走りました。私はその感覚に従い、窓を突き破り外に逃げました。直後、先程まで居た廊下が爆炎で満たされます。
(正気かよ!! 使用人だって居るのに。それに普通、依頼人の家を燃やすか?)
「隊長!! 正気に戻ってください!! 依頼人の家を燃やすのは不味いって!!」
「五月蠅い!! 待ちに待った獲物なんだ!!」
部下がメンヌヴィルに殴られて、強制的に黙らされました。私はこの間少しでも距離を稼ごうと取ろうと、足を懸命に動かします。
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