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デュエルペット☆ピース!
デュエルペット☆ピース! 第1話「転校生ふたり」(前篇)
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「おかあさん、たすけて――」

 あっけない、少女の最後の言葉と同時に、白の炎が枷を解かれ、押し寄せてくる。だが、それと同時に、彼女と炎の奔流の間に、白い小さな影が割り入った。
 その小さな影の正体を彼女が認識するより前に、影は、凛々しき青年の声で、確かにこう言った。

『あきらめるな! 君はまだ、生きるべきだ!』

 その言葉が、存在の消滅を悟って消えかけていた少女の生存本能に、再び火を灯す。その火は一瞬にして、少女の胸の奥で爆発を起こし、心臓が核融炉となって一気にエネルギーを全身に送り込む。

「わたしは、死にたくないっ!」

 この瞬間、母に助けを求めた少女の声は、最後の言葉ではなく、希望をつなぐ願いとして昇華され、そしてその願いが彼女自身の意思によって現実に変えられたのだった。

 少女、小鳥遊アズサと、影の正体、御影石の瞳を持つ小さき白獅子、グラナイト。これが両者の、後に思えば運命的な出会いであったのだ。

 白き炎の嵐が迫る終末の光景の中で、白獅子は彼女へ向けて手を伸ばし、少女もそれに応えて目一杯右腕を伸ばす。少女の手と、飛び込んできた手乗りサイズの白獅子の手とが、しっかりと触れ、結ばれ合う。その瞬間、少女の身体の奥底から、超常の力が稲妻となってほとばしり、彼女を中心に光の球を形成した。

『これは……驚いた……こんな形で見つかるなんて』
「どうなってるんですか!? なんか、体が熱いです……」
『おい君! 君の中にはあの竜を倒す力が眠っている』
「へ? あ、い、うおえ!? ライオンが! ライオンが小さいです! しかも喋った!」
『ええい、後にしなさい! でないとこのまま死ぬぞ!』
「っ……!」
『君は今、死にたくないと願ったな。だったら生存のために、文字通り死力を尽くせ! さあ! 復唱せよ!』

 手乗りサイズの白獅子が、可愛らしい姿に似つかわしくない凛々しい調子で、その言葉を伝える。獅子の姿が夢幻であろうとなかろうと、少女がなすべきことは決まっていた。たぎる生存本能が、少女を突き動かす。立ち上がり、体の底からその言葉を吐き出した。

「デュエルモード! セイバーフォーム!」

 その言葉と同時に、少女の身体を包む稲妻が更にその量を増す。光の中で、少女は確かに、自分の姿が、存在そのものを巻き込んで変わるのを感じる。

『燃えろ、燃えろ! 邪魔する奴はみーんな燃やして! 私は、学校に行くんだからぁ! 友達、トモダチを!』

 狂乱する女学生の叫びとともに、白き竜が放った炎が、少女と獅子を飲み込む。だが、突然風向きが正反対に変わったかのように、炎が逆方向にあおられ始める。女学生と白き竜が、予想した結果とは異なる様子に、怪訝な顔をする、その一瞬。

―――ぎゅぉぉっ!

 その一
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