デュエルペット☆ピース! 第1話「転校生ふたり」(前篇)
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・アズサ LP:4000→3300(−700)
アズ
「あううっ!」
途端に、少女を衝撃と、それに続く激痛が襲った。思わず膝が折れ、空いている右腕を地に着けてなんとか体を支える。
ナイト
『大丈夫か!』
アズ
「あぅ……ぃったぁ……これは……?」
ナイト
『デュエルでは受けたダメージの数値に応じてホーリーライフバリが削られ、止めきれなかったダメージはデュエリストが受けることになる』
アズ
「じゃあ……まさかライフが0になったら……」
ナイト
『今以上のダメージを受けることになる。だから……このデュエルには君の生存がかかっているんだ』
アズ
「そんなぁ……」
少女の眼に涙が浮かんだ。獅子が闖入する直前、白き竜を目の前にした時の、瞬間的な死の直感とは別の、数値という明確な指標によって示される、あからさまな生命の危機に、少女の心が折れかける。
ナイト
『しっかりするんだ! 君が助かるにはこのデュエルに勝つしかない。生身であの竜を相手にするより、勝利する可能性は何倍も高いんだ! 勇気を出せ!』
手乗りの獅子が彼女の戦意の火を絶やすまいと鼓舞する。少女は消えかけた生存本能に鞭打ち、膝に力を入れてなんとか立ち上がった。
銀の竜、ライトパルサー・ドラゴンは、敵にダメージを与えたことを確認すると、足の筋肉を伸縮させて後方へ跳ね、主たる女学生の真横に位置取り、天へ向かって吠えた。女学生は、しもべが敵を弱らせたことへの満足感に酔いしれている。
ツキ
『ふふふ……どぉ? いたかった? でもあと3300もあるのか……面倒くさァイ……! でもすぐに終わらせてアゲル……そしたら学校へ……くひひひ、これでターンエンドよ』
・アズサ(手札5 LP:3300)
・ツキノ(手札4 LP:4000)
《ライトパルサー・ドラゴン》ATK:2500・☆6
<ターン3 アズサ>
アズ
「わ、わたしの……ターン」
デッキのカードをドローするも、受けたダメージの余波で、少女の右腕には明らかに力がなく、小刻みに震えている。
ナイト
『気をしっかり持つんだ! 勝利は、諦めないデュエリストにしか訪れない!』
アズ
「は、はいっ」
気を引き締め直し、少女は引いたばかりのモンスターカードのテキストを確認する。
アズ
(あ、このカードなら……!)
アズ
「獅子さん、モンスターの召喚は、攻撃表示と守備表示が選べるんでしたよね」
ナイト
『そうだ。正確には、表側攻撃表示の「召喚」と、裏側守備表示の「セット」の2つの方法から選んで通常召喚することができる……だが、何か作戦があるのかい?』
アズ
「このカードを守備表示で出すのはどうでしょう」
ナイト
『悪くは
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