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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
短編 あるお盆の物語 L
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ている最中だ。

「面白い業を使うな、人間!楽しくなってきたぞ!」
「そうかい。なら、これからもっと楽しませてやるよ!」

一輝はそう言いながら、日本刀を鞘に納め、左手で鞘を、右手で柄を持つ。

「ほう、居合いか?」
「残念ながら、ハズレだ!」

そして、一輝はそのまま、カグツチに向かって走り出した。

「ただ走り込むだけとは、無謀であるぞ!」
「避けるくらいはするよ!」

一輝はそう言って、カグツチが放ってくる火の槍を避けながら、それでも一切速度を緩めずに走り進む。

左右に動くことで火の槍を避けるためすれすれのところを通ったり、肩に当たったりするが、一輝は一切、体の軸はぶれない。

「ちょこまかと・・・だが、これでしまいだ!」

が、近づけば近づくほど避けるのは難しくなるわけで・・・カグツチの放った槍は、正確に、一輝の心臓を貫いた。

「「一輝!」」
「ははは!これで一人、」
「心頭滅却、常住戦陣。」

が、一輝の足は、止まらない。

「な、何故止まらぬ!なぜ血が流れぬ!」
「鬼道流剣術、奔り。六の型!」

そして、一輝はカグツチのすぐ目の前まで来て、本気で踏み込み、姿が消える。

「あやつ、いったいどこに・・・」

カグツチは一輝の姿を探す。そして、すぐ後ろで、音がした。
チン、と、刀を鞘に納める音と、

後斬り(のちぎり)、五連!」

という、技の名を言う一輝の声が。

「な・・・貴様、いつの間に・・・いや、それより何故、」

動ける、と言うカグツチの言葉は、自分の真横でなった音によって、止められた。
別に、大きな音がしたわけではない。ただ、ザン。ザザザザン!と言う斬激の音と、ボトッ、と言う、何かが落ちた・・・カグツチの腕が落ちた音だ。

「わ、我が腕が、切り落とされただと!?」
「どうだ、予想外の出来事は楽しめたか?」

驚愕に染まるカグツチに、一輝は冷静にそう返した。
一輝の表情には、一切の苦痛の色がない。

「オイ一輝!オマエ、その傷で・・・」
「そんなこと言ってる場合か、白夜!おれがこの程度(・・・・)の傷でどうにかなるわけねえだろ!それより、早く喰わせろ!」

一輝が白夜の台詞をさえぎって叫びながら、風を使いカグツチの腕を白夜のところに飛ばすと、

「クッ・・・喰らえ。」

白夜も状況を思い出し、妖刀にカグツチの腕を喰わせる。
そして、カグツチの腕が贄として足りないわけがなく、妖刀は輝きだし、チャージが完了したことを告げる。

そして、白夜は言霊を唱える。

「日ノ本の神々よ、我が声にこたえてくれ。」

それは、日本では鬼道の奥義の次に珍しいことが出来る奥義だ。

「我が刀に宿りしは物の怪、神の躯
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