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偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第7章 終わりの始まり
第参話 いざ、決戦へ
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商取引をするための下準備に、卑劣と言われるのは心外だな」
「商取引?」
「ああ、そうさ」
俺は、これからの行動を具体的に説明する。



「なるほど」
タンタルは納得し、
「すごいです」
セレンは賞賛し、
「最初から説明しなさいよ!」
なぜか、テルルは怒っていた。



小さな池の側で、静かに佇む、エルフの娘。
「・・・・・・」
娘は、背後から気配を感じて
「姿を変えても私たちにはわかります」
そして、その正体に気づくと、
「ひーっ、人間だわ!
さらわれてしまうわ!」
娘が震え上がっている。

俺は、娘に向かって呪文を唱えた。
「モシャス」
俺は、エルフの娘に変化した。
「さあ、買い物にいくか」
俺は、こうしてエルフの隠れ里で販売している祈りの指輪を大量に入手した。


「ねぇ、アーベル、気になることがあるのだけど」
仲間と合流したときに、テルルから質問を受けた。
「気になること?」
「どうして、あの店で購入出来たの?
エルフは、姿を変えても人間だとわかるのなら、アーベルが変身したことに、店のエルフも気づいたと思うけど」
「気づいていたと思うよ」
俺は、自分の感想を述べた。
「えっ!」
テルルは驚く。
「金の力は偉大だね」
俺は、とぼけた調子で、解説する。

「あの店員は、その職業がら、ホビットなど様々な種族と相手をしていたはずだ。
でなければ、あのように店を開く必要はないだろう。
その証拠に、俺たちに対しても、怯えることなく、きわめて冷静な態度で対応していた」
「だったら、どうして・・・・・・」
人間に物を売らないのか、テルルは重ねて質問する。
「とはいえ、エルフの女王の命令に背くわけにはいかない。
だから、人間の姿では取引できないけど、エルフやホビットなどの姿をしていたら、中身が人間であっても、かまわないとおもったのだろうね」
「だから、円滑な商取引と言ったのね」
「まあ、本人に聞くわけにもいかないから、本当のところはわからないけどね」
俺は再び、両手を前に出して答えた。



「とりあえず、これを身につけて強く念じれば、MPが回復する」
俺は、セレンに3つほど手渡す。
「私の分は?」
テルルが、俺に指輪を要求してきた。
「戦闘中に呪文は使わないだろう?」
俺は、そういいながら自分用に指輪を4つとりだして、ズボンのポケットに入れる。
「わかったわ・・・・・・」
テルルは、少し表情を曇らせたが、それ以上のことは何も言わなかった。


「欲しいのか?」
俺は、タンタルがセレンが持つ指輪に、視線を向けていたことから、問いかけた。
「・・・・・・いや、いい」
タンタルは、セレンとテルルの表情を確認し、首を左右に振った。


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