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偽典 ドラゴンクエストV 勇者ではないアーベルの冒険
第7章 終わりの始まり
第壱話 偽典・名探偵なのは?アーベル君
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しながら断言する。
いつの間にか、俺たちの周囲に人垣ができていた。
「知らないわよ、そんなこと!」
テルルが反論する。
「それに、かんじんの笛がないぞ!」
俺も反論する。
「何処かに隠し持っているのでしょう。
まったく、困った人です。
場所なんて、取調室で、自白させればいいのです。
どうせ、口に入れてなめ回したり、股に挟んで楽しんだりしているのでしょう。
まったく、けしからん変態だ!」
男は、俺の言葉に再反論すると、集まってきた村人たちに向かって、指示を出す。
「さあ、彼らを捕まえて、笛の場所を吐かせるのです!」
村人たちが、男の指示に従って、俺たちの包囲網を少しずつ狭めてゆく。
「怖い・・・・・・」
セレンは、俺の背後で、俺の左手を両手で握りながら震えている。
「アーベルどうするの?」
テルルも、俺に判断を求める。
さて、どうすれば良いのだろ?
村人に捕まったら、この冒険は終わってしまう。
だからと言って、この場から逃げ出したら、二度とこの村に入ることはできない。
そうなれば、妖精の笛は入手できなくなるだろう。
だから、俺はテルルに頼む。
「テルル、レミラーマを頼む。
怪しいところを探してくれれば良い」
「・・・・・・レミラーマ?
わかったわ」
テルルは、納得いかないまでも、アーベルの指示に従う。
俺は、呪文によって一瞬だけ光った場所を探す。
「あれは、・・・・・・」
俺は、男の股の部分を指し示す。
そこには、太くて長い形状の物体が、ズボンの上からもはっきりとわかるようになっていた。
「ハハハ、これは昔からじゃよ。
それは、私のおい・・・・・・」
男のズボンの中央から、先端部分が顔をのぞかせる。
「嫌!」
セレンは、一瞬、そのものを確認すると、両手で目を覆い、膝を地面につけ、首を左右に振りながら泣いている。
テルルも、顔を赤くしながら、それを見ていた。
……それは、縦笛の、先端部分だった。
「・・・・・・またしても、あなただったのね」
少女は男に、悲しい視線を向ける。
「私もまた、笛に踊らされた犠牲者に過ぎないのだよ。
私の場合は、自分から踊ったのだけどね」
男は、腰を前後に動かしながらそう言うと、村人たちに連れ去られていった。
手元には、男が持っていた笛があった。
当然、先ほどまで俺が手にしていた布で、厳重に包み、絶対に接触することが無いように、細心の注意を払いながら管理している。
「これを吹きたいと思う人は・・・・・・。まあ、いないよね」
俺は、仲間たちの表情を確認して結論をくだす。
むしろ、喜んで笛を吹く人間が仲間にいたならば、パーティメンバーから外す必要が生じたことだろう
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