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誰が為に球は飛ぶ
青い春
参 手本
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に。

「…すげー」

多摩が声に出して言った頃には、既に真司はそそくさと室内運動場から立ち去る所だった。

「あ、ちょっと待って!」

光が引きとめようとした時には、その声が届かない所まで行ってしまっていた。
健介も藤次も、浅利も、皆言葉も出ない。

日向は真司の球を受け止めたミットを見つめていた。






あいつの投げた球、一球も構えたミットを外さなかった。






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